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バッタンバンで晴読雨耕

バッタンバンを中心としたカンボジア北西部の情報ブログ-大学教育、地雷、農業、開発、投資に関する話題から ホテル、レストラン情報まで

 

中国の対カンボジア戦略

中国の対カンボジア支援についてまとめてみたい。

歴史的な経緯を見れば、
中国はポル・ポト派を支援しており、
これと対立していた現政権との関係は決して良好ではなかったはずである。
在カンボジア中国大使館のウェブサイト(中国語版)にある過去の外交イベントを見ていくと、
やはり2000年代後半から活発な動きが確認出来る。

2006年: 温家宝総理訪カ、「全面パートナー関係」成立
2008年: 国交50周年「中カ友好年」
2009年: フン・セン首相訪中、習近平副主席訪カ
2010年: フン・セン首相訪中(上海万博開幕式出席と合わせ計3回?)、「全面戦略パートナー関係」成立、 
 呉邦国全人大委員長訪カ
2012年: 胡錦涛国家主席訪カ、フン・セン首相訪中(2回)、王毅外務大臣訪カ
2014年: フン・セン首相訪中

これらのうちで重要なターニングポイントになったのは、
2009年の習近平副主席訪カではないだろうか。
1992年から2009年までの17年間の中国の支援額累計は9.3億米ドルであったのに対し、
副主席の訪カ中、中国は12億米ドルの支援を表明している。

2010年、呉邦国全人代委員長の訪カの際には、
2015年までの5年間に16億米ドルの支援を表明。
この年に全面的戦略パートナー関係に入ったとされている。

先の習金平国家主席の訪問と支援表明はこうした流れの中で行われたものであることが分かる。

また、中国の対カンボジア支援を考える上では、
同国の外交戦略についても理解が必要と思われる。
中国がどこに国益を見てカンボジア支援を実施しているかを考えるということである。

やはり在カンボジア中国大使館のウェブサイトを見ると、
「一帯一路」というバナーが見える。
「一帯」とは中国からヨーロッパに向けて広がる「丝绸之路经济带(シルクロード経済ベルト)」の略で、
「一路」とは中国から東南アジア、インド、中東、アフリカへと繋がる「21世纪海上丝绸之路(21世紀海上シルクロード)」の略である。
同バナーからのリンクを読むと、
2013年9月~10月に習近平国家主席が提唱したもので、
インフラ整備、貿易促進等を通じ巨大な経済圏を作る構想であるとされている。

「一帯一路」の原則とは以下とのこと。
1.国連憲章の目的と原則の順守
2.開放的な協力
3.協調と寛容
4.市場ルール
5.Win-winの関係

当然ながら、
カンボジアは後者「一路」に含まれており、
対カンボジア支援もこの文脈において理解されるべきものであろう。
経済圏構想とは聞こえはいいが、
Win-winの理念がどの程度実現されうるものかはやはり大きな懸念である。

(追記)
在カンボジア中国大使館のウェブサイト(中国語版)上、
「一帯一路」の上には「南海問題(南シナ海問題)」とあり、
中国の領土問題に関する主張もしっかりとなされており、
これが如何に重要視されているかがうかがえる。
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プロフィール

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Author:バッタンバン長
カンボジア王国バッタンバン在住、バッタンバン長です。
バッタンバンを中心に、開発援助業務、大学講師、社会調査、日系企業進出・投資のお手伝い等をやっております。
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