FC2ブログ

バッタンバンで晴読雨耕

バッタンバンを中心としたカンボジア北西部の情報ブログ-大学教育、地雷、農業、開発、投資に関する話題から ホテル、レストラン情報まで

 

書籍 「わら一本の革命」

The One-Straw Revolution: An Introduction to Natural Farming (New York Review Books Classics)The One-Straw Revolution: An Introduction to Natural Farming (New York Review Books Classics)
(2009/06/02)
Masanobu Fukuoka

商品詳細を見る

プノンペンのMonument Booksでたまたま手にした本が(装丁がカッコいい)、
日本人の著作だと知り驚いた。


"Zen and the Art of Farming"

(禅と農の技術。ロバート・M・パーシング著「禅とオートバイ修理技術」のもじり。)


"Little Green Book"

(リトルグリーンブック。毛沢東著「毛沢東語録」通称「リトルレッドブック」のもじり。)


英訳本のバックカバーにあるこれらの評価が示すように、
本書は農業についての批評であるのと同時に、

その背景にある思想にも挑むものである。


農学を学んだ後、

横浜税関の植物検査課に勤めていた当時25歳の福岡が、
その職を辞めた理由は、

そのときの思いつきによるものだった。


その思いつきとは、
以下のようなものだ。


「人間というものは、何一つ知っているのではない、

ものには何一つ価値があるのではない、

どういうことをやったとしても、無駄である、無益である、徒労である。」(原著、P. 8)


「人知・人為は一切が無用である。」(原著、P. 44)


人知・人為が無用であるからこそ、

福岡は自然の力に従う自然農法を唱え、

それを実践することとなる。


自然農法とは、

1.不耕起

2.無肥料

3.無農薬

4.無除草

の4原則からなるものだ。


言わば現代農業へのアンチテーゼだが、

自身の40年近く(本書執筆時)に渡る実践の賜物である以上、

決して理想論ではない。

(これらは原則であるため、

実際には細かな作業があり、

完全になにもしないということではない。)


自然農法の基には、

無駄な人の業とは対照的な万能な自然という考えがある。
肥料や農薬をやらずとも、

自然に従った農業を行えば、

自然が土地を豊かにしてくれる。


その自然の恩恵を顧みず、

科学技術によってそれを破壊しているのが我々人間だと、

福岡は言う。


自ら自然を破壊しておきながら、

農薬だ、肥料だというのは、

自分で屋根に穴を開け、

それを修理する方法を見つけたと言っているのと変わりがないと。


そして、その科学技術の根底にある哲学こそ、

「我思う、故に我あり」というような

人間を中心とした西洋思想(近代思想)なのだと。


世界最大の防波堤の崩壊、

絶対安全な原子力発電所の事故、

開発による自然破壊、

人口増加による地球への不可、

そんなものを知ってしまった現在、

福岡の言葉はその重みを増しているようにも思われる。


「遅れた」カンボジアの伝統的な農法は、

むしろ自然農法に近い。

そこでは現金収入を生むための「農業」ではなく、

食べ物をつくるための「農」が行われていたとも言える。

今や近代化の道をまっしぐらだ。


我々は間違った道を進んでいるのであろうか。


原著は以下。


自然農法 わら一本の革命自然農法 わら一本の革命
(2004/08/20)
福岡 正信

商品詳細を見る

スポンサーサイト



Comments


Body

« »

11 2019
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール

バッタンバン長

Author:バッタンバン長
カンボジア王国バッタンバン在住、バッタンバン長です。
バッタンバンを中心に、開発援助業務、大学講師、社会調査、日系企業進出・投資のお手伝い等をやっております。
お問い合わせ等は、下のメールフォームからお願いします。

記事の検索
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム
QRコード
QR