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バッタンバンで晴読雨耕

バッタンバンを中心としたカンボジア北西部の情報ブログ-大学教育、地雷、農業、開発、投資に関する話題から ホテル、レストラン情報まで

 

カンボジア農村地域におけるマイクロファイナンスの役割 9

さて、これまで見てきた状況から、
何が言えるであろうか。

調査で分かったことにつき考察を加え、
まとめてみよう。


1.MFユーザーの多重債務、借金の拡大傾向

この調査で分かったことの1点目は、
多くのMFユーザーが多重債務を抱え、
その借金額も拡大しているということだ。

多重債務については、
元々多重債務を抱えていた世帯がMFを使うようになっただけとも考えられるが、
全体の借金額が増えている傾向や
MFローンが他の借金の返済が行われている例、
MFローンの返済には借金が多く当てられ例からは、
MFローンによってその傾向が強められていると考えるのが妥当であろう。


2.農業のためのMFローン

MFローンは農業のために広く使われている。
具体的な使い方は、
農地賃借、種子・肥料の購入、トラクター賃料又は燃料、
ワーカーへの支払い、コンバイン賃料、農機修理などだ。

MFローンが農業に使われている一方で、
その返済は農業収入ではなく、
他からの借金で行われるケースが多い。

農業収入が十分ではないことも考えられるが、
16世帯中、農業で収入を得ている14世帯について見てみると、
農業支出額の平均値は2,083ドル、中央値は786ドル、
農業収入額の平均値は3,493ドル、中央値は1,634ドル
と概ね問題がなさそうな状況を示している。

それではなぜ、
MFローンは農業収入ではなく、
他からの借金で返済されるのだろうか?

MFユーザーの家計から考えられる理由の1つは、
ローンの返済期間(1年間)と農業サイクルのミスマッチである。

農家が最も現金を必要とする時期は、
田起しや種蒔を行う4月~6月(早稲では~9月)、
米の収穫を行う11~12月で、
多くはこうしたタイミング借入を行うが、
1年後の返済時期も同様に最も現金が必要な時期に当たってしまうのだ。

そもそも現金が必要だから借入を行う時期に返済を行うのは難しく、
多くの農家は他から借金をせざるを得ないのである。

これは農村において多重債務が発生するメカニズムと言えるだろう。

(MFローンの制度上、
返済期間内のいつでも全ての返済を行うことはでき、
収穫後、籾を売った金で返済を行えば問題はないはずで、
実際、Bさんの世帯のような世帯も存在している。)

(続く)
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プロフィール

バッタンバン長

Author:バッタンバン長
カンボジア王国バッタンバン在住、バッタンバン長です。
バッタンバンを中心に、開発援助業務、大学講師、社会調査、日系企業進出・投資のお手伝い等をやっております。
お問い合わせ等は、下のメールフォームからお願いします。

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