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バッタンバンで晴読雨耕

バッタンバンを中心としたカンボジア北西部の情報ブログ-大学教育、地雷、農業、開発、投資に関する話題から ホテル、レストラン情報まで

 

カンボジア農村地域におけるマイクロファイナンスの役割 11

多重債務や借金の拡大傾向を考えた場合、
MFユーザーが増え続ける現状は憂慮されるべきものであり、
何らかの策を講じる必要があると考えられる。

MFIsにとっても、
これだけ複数の借金がある状況であれば、
担保に取っている土地が売却されたり、
二重担保の可能性もあるのだから重要な話であるはずだ。

調査のまとめを踏まえ、
カンボジアのMFについていくつか提案をしてみたい。


1.多重債務、過剰債務の予防・抑制

多重債務に対する取り組みが進められていると言われているが、
農村における現状は本調査が示したとおりであり、
より積極的な取り組みが必要と思われる。

この取り組みはMFローンに限ったものではなく、
高利貸しや個人間の貸借、店のツケなども含めたものであるべきで、
貸付も全体的な債務状況を確認した上で行われるべきである。

また、特に農家の場合、家計の収支を把握することは難しいため、
仕送りなども含めた細かな確認を行い、
過剰債務とならないよう確認する必要もある。

貧困削減もつまりは、
収入を上げて、支出を減らすことに尽きるのだから、
無駄な借金は作らせないような体制づくりは重要なはずだ。

まとめ
①ユーザーの債務状況の確認
(出稼ぎ者も含めた世帯構成員の誰が、いつ、どこから、どれ位借り、いつ、どれ位返すのか)
②ユーザーの家計状況の確認


2.ユーザーへの知識の共有・サポートの強化

MFの良し悪しも、
結局はユーザーがそれをどう活かすかであり、
MFが有効に利用されるためには、
ユーザー側への知識の共有、啓もうが必須である。

現状においては、
ユーザーに対して十分な知識の共有もなされておらず、
いつ、どこから、いくら借りて、いつまでに、いくら返済しなければならないのかという基本事項を
十分に理解していないユーザーも多い。

貸付の取決書や証書類に書かれてあるとしても、
識字率や教育レベルを考えれば、
「きちんとユーザーに書類を渡している。」
と言って済むものでもないはずだ。

現在、多くの世帯が行っているような
新たな借金で古い借金を返済していくやり方では、
借金が雪だるま式に膨らんでいくことについても理解してもらう必要がある。

貧困削減を謳うMFIsであれば、
これらを徹底した上でユーザーが新規ローンを活かし、
どのように生活を向上させるのかという点についても注意を払わなければならない。

ユーザーの現状を理解し、
彼らが直面している問題について一緒になって考え、
その中で必要な資金は用立てて行くという姿勢が重要となる。

事業計画、返済計画をユーザーと話し合いながら設定し、
その後も単なる取り立てではなく、
事業の進捗とそれに見合った返済を求めていくべきであろう。

まとめ
③サービス情報提供の徹底
④事業計画、返済計画の立案サポートと事業のフォローアップ


3.農業向けローンの構築

MFローンが農業収入によって返済されるためには、
農業サイクルに見合ったサービスの構築も効果的と思われる。

国民、特に貧困層の大多数が農家の国においては、
MFIsは農村の現実に見合った貸付を行っていく必要があるはずなのだ。

安定収入のない農村世帯に対しては、
月々の返済(利子のみ)ですら、
更なる借金を生み出しかねない点も考慮されるべきである。

農家向けには、
月々の利子返済をなくし、
収穫後に元本と合せて返済してもらう等、
農家のニーズを精査した上でのサービス構築が望まれる。

まとめ
⑤農業サイクルに合ったローンサービスの構築

(終)
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プロフィール

バッタンバン長

Author:バッタンバン長
カンボジア王国バッタンバン在住、バッタンバン長です。
バッタンバンを中心に、開発援助業務、大学講師、社会調査、日系企業進出・投資のお手伝い等をやっております。
お問い合わせ等は、下のメールフォームからお願いします。

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