fc2ブログ

バッタンバンで晴読雨耕

バッタンバンを中心としたカンボジア北西部の情報ブログ-大学教育、地雷、農業、開発、投資に関する話題から ホテル、レストラン情報まで

 

ボランティア

カンボジアのような国はボランティアを惹きつける。

(そして、カンボジアもこれを歓迎してきた。)


ボランティアは文字通り自らの意志で、無償でこの国を訪れ、

社会の助けになろうと務める。

旅費だって自己負担である。


シェムリアップのような観光地であれば、

アンコールワットなどの観光目的で訪れる旅行者がほとんどであろうが、

バッタンバンのような地方都市となれば、

ボランティア活動を目的にこの地を訪れる人も少なくない。


昨年日本でヒットした映画「僕セカ」も、

カンボジアを舞台にしたボランティアが主人公のストーリーであった。


多くのボランティアたちの思いは、

この映画の副題に象徴されるのではないだろうか。

「But I wanna make a school in Cambodia.」

(目的語の部分は様々だろうが。)


自分の利益のためではなく、

他人の利益のために何かを「したい」というのだから、

それは尊いものであるように思われる。


しかし、個人的には若干の違和感も覚える。

その「したい」という主張が故か、

カンボジアのような国への思慮といったものが、

欠けてしまっているようにも感じられるのだ。


孤児院 について書いたように、

よかれと思うその意図とは全く別の結果を招く場合だってある。

ボランティアなどによって作られた井戸から、

ヒ素が出て問題となったこともあった。

(自国で井戸水を飲んだこともない人が、

他国で井戸を掘ろうというのだから問題はあって当たり前だ。)

「自立のための支援」のつもりが、

助けられる側の依存心を逆に強くすることだって十分あり得る。


自分の「したい」は一度脇に置いて、

ゆっくりこの社会を観察するところから始めてもいいように思うが、

どうだろうか。


スポンサーサイト



Comments

1. はじめまして 
特にカンボジアとは関わりのない私ですが、最近、日本の学生のボランティアの行き先でとても多いのがカンボジアなので、「おや?」と、少し疑問が生じていたところでした。ブログを拝見して「やっぱり~」と。NPOなども、学校を寄付とか農場に種を蒔くとかでカンボジアに関わってるところが多いようですが、映画やテレビでカンボジアが取り上げられて、そうしたことでこの国に関わることが一時のブームになってしまってるような感じすらします。やりっぱなしのボランティアやNPOは勘弁です。
2. Re:はじめまして 
>みんみんさん

コメントありがとうございます。

やらない偽善よりやる偽善という言い方もありますが、これも周囲に偽善を思われるかどうかという視点であり、その偽善を受ける側の者たちについての視点は含まれていないように感じます。

何かをやりたい人とそれをやってもらいたい人がいる以上、この関係は崩れなさそうですが、日本でやりたい人が増えるのと合わせ、こちらでやってもらいたい人ばかりになっても困るなと思っています。

Body

« »

03 2024
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
プロフィール

バッタンバン長

Author:バッタンバン長
カンボジア王国バッタンバン在住、バッタンバン長です。
バッタンバンを中心に、開発援助業務、大学講師、社会調査、日系企業進出・投資のお手伝い等をやっております。
お問い合わせ等は、下のメールフォームからお願いします。

記事の検索
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム
QRコード
QR