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バッタンバンで晴読雨耕

バッタンバンを中心としたカンボジア北西部の情報ブログ-大学教育、地雷、農業、開発、投資に関する話題から ホテル、レストラン情報まで

 

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2016年のまとめ

年齢のせいか、
仕事の忙しさのせいか、
2016年は以前にもまして早く去ってしまったように思う。
年の瀬、youtubeで「芝浜」を聴きながら、
この一年をまとめてみよう。

1.農作物価格の下落
昨年は雨が降らずに影響のあったカンボジアの農業だが、
今年は作物価格の下落の影響が大きかった。
天候と市場という2つのリスクの狭間で生きるカンボジアの農家にとっては、
厳しい年が続いていると言えよう。

2.不動産バブル?
不動産価格の高騰、それに伴うビジネス展開が更に進んでいる。
外国人にとっては、
コンドミニアムへの投資というチャンス(実際には怪しいが)であると同時に、
賃貸物件で生活や商売を行う立場としてはなかなか辛い状況かもしれない。
不動産開発の波は確実に地方にも届いており、
全国的なブームとなりつつある。
コンドミニアム投資については懐疑的な見方も広がりつつ、
ブームはまだしばらく続きそうな気配である。

3.国連による格付けの変化
今年、世銀のデータにおいて、
カンボジアは低所得国(Low Income Country)から
低中所得国(Lower Middle Income Country)へと格上げとなった。
別の国連基準では、
後発開発途上国(Least Developed Countries)に残されたままだが、
これも今後10年で卒業出来ると予測されている。
格付けが上がることで、
無償援助が減少したり、貿易における保護がなくなる等の問題はあるが、
経済成長により人々の暮らしがよくなることは喜ばしいことである。

4.中国の影響の拡大
観光、ビジネス・投資、政治等といった分野において、
中国の存在感がより増した一年であったように思う。
習近平国家主席の訪カが最も象徴的な出来事であるが、
各地で見られる公共工事(中国人のエンジニアやワーカーが多い)、
シェムリアップのパブストリート周辺の観光バスやこれを狙った土産物屋等、
どこへ行っても中国関連の人・モノを目にするようになった印象である。
今後も加速するであろうこの傾向には注意すべきであろう。

5.バッタンバンの渋滞
つい先日のことだが、
市内中心部、サンカエ川に架かる橋で渋滞が発生していた。
クリスマスのお祭り騒ぎの影響によるもので、
2003年にこの地を初めて訪れてから初めて見る光景であった。
国が「豊か」になり、自動車の所有率が上がる中、
今後こうした風景は日常のものとなっていくのかもしれない。
街の風景はせわしいものになろうとも、
人々の笑顔や心は穏やさは変わらないでいて欲しいものだ。

こうして書き出してみると、
若干ネガティブな内容が多いように思われる。
個人的な性格もあるかもしれないが、
年齢や滞在歴を重ねた結果でもあろう。
ついつい心配ばかりが先に出てしまうようだ。

皆様、よいお年を。
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カンボジアの「コミュニティ」

「コミュニティ」という日本語は現在どの程度一般的に用いられているだろうか。
どの時代、どの世にもあるもののようでありながら、
同様の概念を示す言葉である「地域社会」、「共同体」やと比べても、
英語が語源の「コミュニティ」が一般的と思われる。

さて、カンボジアにおける「コミュニティ」を考えた場合、
メイ・エビハラという日系アメリカ人の文化人類学者の名前が最初に上がって来る。
1960年代にカンダール州のスワイ村で行った調査と
これを基に執筆した博士論文(コロンビア大学))「Svay, a Khmer Village in Cambodia」により
その名が知られることとなったエビハラは、
長くカンボジア農村研究の第一人者と目されてきた。
2011年に出版された
「Anthropology and Community in Cambodia – Reflections on the Work of May Ebihara」は、
エビハラに影響を受けた研究者らが寄稿を集めた一冊で、
これからもその存在の大きさがうかがい知ることが出来る。

この本の第5章、
「A Tale of Two Temples: Communities and their Wats」(著者:Judy Ledgerwood)では、
カンボジアのコミュニティに係るエビハラの学説とこれに対する反論が紹介されている。
エビハラの説は、
カンボジアのコミュニティとワット(寺)を中心とした共同体であるというもので、
コミュニティとワットは対の関係にあるというものだ。
上述の「Svay, a Khmer Village in Cambodia」で示された観方である。

クメールルージュ後のカンボジアの農村(コンポントム州)で実施した調査に基づき、
これと異なる説を示したのが京都大学の小林知だ。
小林によれば、
エビハラの説はコミュニティの流動性を無視したものであり、
現代のカンボジアの農村においては人々とワットの関係はより複雑であるとのこと。
コミュニティとワットの関係は必ずしも対ではないことを示唆するものである。

両者の議論はそれなり説得力のあるものだが、
2000年代以降カンボジアに暮らす者としては、
小林の説のほうがより現実に近いと感じている。

10年程前に訪れたラタナキリ州の村は、
コンポンチャム州のクメール族が集団で移住し出来たばかりの場所であった。
住民らが移住後に自分たちの家を建てた後に最初にやったことは、
村にお寺を作ることであった。

コンポンチャム州の比較的近い場所に暮らす人々が、
同じ目的(農業)のために移住したことから、
地縁や移住目的が統一されており、
「コミュニティ」づくりがスムーズに進んだケースであると思われる。
これはエビハラの議論の延長線上にあるものであろう。

他方、内線後にバラバラと人が住み始めたバッタンバン州の村では、
行政上の長である村長はいるものの、
村内に寺はなくコミュニティの結束が弱く、
開発プロジェクトが行われる際にトラブルが生じたりしている。
小林の議論とは少し異なるかもしれないが、
内線後のカンボジアの「コミュニティ」の複雑さを示す例と考えられる。

開発の世界において、
「コミュニティ参加」などという言葉が使われることがあるが、
比較的統制の取れた組織体としての「コミュニティ」があることが前提になっていると思われる。
「コミュニティ」の定義が変われば、
開発のアプローチも必然的に変わってくるはず。
文化人類学者や社会学者らによって進められてきた議論は、
カンボジアの開発に関わる者にとっても非常に重要なものであると言えよう。

 

蛹スナックの新パッケージ

先日記事にしたばかりの蛹スナックに新パッケージが登場した。

新パッケージもこれまでのスタイルを踏襲しており、
しっかりとマンガ調のサナギ君が描かれている。

Crispy Silkworm

うっかり「サナギ君」と書いてしまったが、
オスかメスかは判断出来ないため、
「サナギさん」としておこう。
オスなら「サナエモン」として欲しい。

市場や道端で売られている蛹は生々し過ぎるかもしれないが、
こちらのスナックは衛生管理の行き届いた工場で作られた加工食品という感じで、
比較的ハードルが低いように思われるが、
いかがだろうか?

ちなみに、
姉妹品のコオロギスナックも新パッケージが登場している。
(おっと、こちらの旧パッケージについてはまだ書いていなかった。)

Crispy Cricket

カンボジア産の蛹を使った、
カンボジア製の蛹スナック。
引き続き、
そんなものの登場に期待したいきたい。

 

Glroius Hotel & Spa

バッタンバンから離れること約320km、
トンレサップ湖の反対側に位置するコンポントムを久しぶりに訪問した。

国道6号線が整備されプノンペン-シェムリアップ間の交通量が増えると共に、
この町も発展を続けており、
立派な建物も増えて来ている。
サンボープレイクック遺跡を訪れる観光客も増えているようである。

そんなコンポントムにも立派なホテルが登場している。
それがこちらGlorious Hotel & Spaだ。

Glorious.jpg

Glorious 2

Glorious 3

まだまだ宿泊客は多くはないが、
今後のブーム(?)を見越してのオープンであろう。

国道5号線、
ポーサットやコンポンチュナンにもきれいなホテルが増えつつあるので、
それらについてもいずれ紹介したいと思う。

 

マイクロファイナンスの担保・金利

久し振りにマイクロファインに関する話題。
最近Phnom Penh Postに掲載された2つの記事を基に、
私見をまとめてみたい。

1つ目の記事は担保に係るもの。
バングラディッシュでマイクロファイナンス(マイクロクレジット)が開始されたとき、
担保というものはなく、
融資を受ける側(ユーザー)はグループを作り、
相互に責任を負うというのがそもそもの仕組みであった。
しかしながら、
現在のカンボジアでは不動産を担保にした個人融資というサービスが増えて来ている。

最近の議論は動産を担保にした融資が出来ないか、
或いはそれに係る規定はどのようなものが適切かというものだ。

私見になるが、
不動産を担保にした場合でも多重債務の問題によるリスク、登記に係るは少なくなく、
売買がより容易で、
登記制度がより曖昧な動産を担保にする場合のリスクは小さくないと思われる。
より現場に近い立場で慎重に検討する必要があるであろう。

2つ目の記事は金利に係るものだ。
現在カンボジアにおいては金利に係る法規制はなく、
レッセフェール的に各金融機関によってこれが決められている。
こうした状況に対し、
法規制によって金利を一定以下に抑えようという議論が生まれつつあるようだ。

マイクロファイナンス機関が乱立する中、
競争原理、見えざる手により貸付金利は下落傾向にあるが、
それでも高いというユーザーや識者の意見が法規制に向けての議論を後押ししている模様。

グラミン銀行の理念やノーベル平和賞受賞に見られるように、
マイクロファイナンスは単なる金融サービスではなく、
元来の目的は貧困削減であったはず。
金利を考える上では、
まず現状においてどのような効果があるのかを調べてみる必要があるであろう。

カンボジアにおいて過去に行われた調査では、
ユーザーの所得や資産を増やすという結果が多いが、
現在では適切とはされない方法で行われたものであるため、
より厳密な手法により精査を行う必要があると思われる。

 

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プロフィール

バッタンバン長

Author:バッタンバン長
カンボジア王国バッタンバン在住、バッタンバン長です。
バッタンバンを中心に、開発援助業務、大学講師、社会調査、日系企業進出・投資のお手伝い等をやっております。
お問い合わせ等は、下のメールフォームからお願いします。

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