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バッタンバンで晴読雨耕

バッタンバンを中心としたカンボジア北西部の情報ブログ-大学教育、地雷、農業、開発、投資に関する話題から ホテル、レストラン情報まで

 

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習近平国家主席訪カと対カンボジア支援

10月14日、習近平国家主席がプノンペンを訪問、
市内は異様なまでの大歓迎ムードで包まれていた。
偶然プノンペンに居合わせ、
その一端を見ることが出来たが、
これまでの各国首脳の訪問と比べてもその対応は異常とまで言えるものであった。

今回の訪問では、
31の合意文書が締結されたと報じられている。
大まかな内訳は、
178百万米ドル(1億7千8百万米ドル)の無償支援、
59百万米ドルの有償支援、
89百万米ドルの債務取消し、
15百万ドルの軍事支援とのこと。

これに先立ち今年7月には、
今後3年に渡り6億米ドルの供与を発表しており、
中国の影響力の強まりが大きな懸念となりつつある。
(もっとも中国は過去に更に大きな支援を打ち出しているが、
詳細は不明である。)

カンボジアの発展状況につき確認を行いながら支援を行う他ドナー国と
それらを一切考慮せずに大盤振る舞いを行う中国を対比し、
フン・セン首相は中国へ度々称賛の声を送っている。

とは言え、
中国礼賛の声が主流かと言えば、
決してそうとも言えない。

野党の救国党のサム・ランシー党首からは、
中国の支援による人権の問題、
環境破壊と中国の利益搾取等を問題視する声が上がっている。

プノンペンからの帰りの車中、
運転手がポツリと言った一言にもそんな気持ちが現れていよう。
「中国の支援は額が大きいが、そこから生まれる利益は全て中国へ行ってしまう。
日本の支援はその点実直で、カンボジアのためだけに使われている。」
バン長が日本人であるためのリップサービスも含まれているだろうが、
一般レベルにおいても、
中国支援の道路の低い質を嘆く声や、
支援の目的に対する疑義等、
ネガティブな声を聞くことは決して少なくないのである。

プノンペンの歓迎ムードも、
心からの歓迎の現れというよりは、
政治的に作られたものであると考えられるが、
カンボジアを訪れる中国人旅行者や民間投資が伸びていく中、
やはり無視はできない存在であり続けることは間違いないであろう。

中国の対カンボジア支援については、
一度調べてまとめてみたいテーマである。
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カンボジアの子ども-孤児院、健康、家族

Phnom Penh Postに取り上げられた
子どもにまつわる複数の記事が興味深かった。

1つは孤児院に関わるものだ。
この記事では孤児の多くには片親(或いは両親とも)がいるという点を指摘しつつ、
コロンビア大学の調査により「孤児院」にいる子どもの数が49,000名であること、
この約半数に当たる25,000名近くが13~17歳で、
今後5年のうちに社会に出て行かなければならないことを伝えている。

Reintegration(社会復帰)やreunifying families(家族への復帰)が、
今後大きな問題となるというのが同記事の主題である。
発達障害等と合わせて、
これらはInistitutionalization(「孤児」の施設収容)の弊害と位置づけられている。

また、社会問題・退役軍人・青少年更正省 は2018年までの3年間で、
プノンペン、シェムリアップ、カンダール、バッタンバン、シハヌークの各州で、
孤児院の子どもの数を30%減らすことを目標に掲げていることも報じられている。
同省の統計によれば、
これら5州においては267の「孤児院」に11,788名の子どもが収容されており、
今後3年の間(2016年も終わりなので実質2年)に、
約3,500名の子どもの新たな受け入れ先が整備される必要があることを意味するものだ。
多くは家族の元へ戻ることになるはずだが、
そもそも「孤児院」に預けた家族なのだから心配な点は少なくない。

UNICEF等が子どもを施設にするのは最終手段であるべきと強調する一方、
孤児院支援、訪問を積極的に行う援助機関はいまだに多い。
問題の分析と解決策の実施はセットであるべきで、
「孤児院」という解決策ありきのアプローチはやはり再考されるべきであろう。

個々のケースに対応するべく、
ソーシャルワーカーの育成にも力を入れていかなければならないはずだ。

もう1つ興味深かったのは子ども健康に関わる記事だ。

International Journal of Food and Nutritional Scienceに掲載された論文によれば、
カンボジアの5歳以下の子どもの発達不良(stunt)の率が、
2010年の45%から2014年には32%に低下した半面、
子どもの死亡原因の45%を占めており、
最も大きな原因となっているとのこと。

また、2014年には5歳以下の子どもの24%がやせ過ぎ、10%は衰弱状態にあり、
栄養の不足が大きな問題であるという。
73%の子どもが亜鉛不足、
71%が貧血
28%がビタミンA不足、
15~49歳の女性(妊婦を除く)の19%がやせ過ぎ(body mass index < 18.5 kg/m2)との統計も紹介されている。

記事の元となっている論文にもリンクが貼られているので、
興味のある方はそちらも参考にして欲しい。

2つの記事をまとめれば、
健康の問題も「孤児院」の問題の多くも、
落ち着いた家庭環境の整備、
所得の向上によって解決されうる問題であると言えるだろう。

ただの問題の羅列に終わってしまわないよう、
こうした統計も参考に社会づくりを進めていくことが重要と思われる。

 

プミポン国王崩御の影響

以前よりご体調が心配されていたタイのプミポン国王崩御の報が入った。
タイは今後1年国を挙げて喪に服すという。

カンボジアにおける報道でも大きく取り上げられてはいるものの、
やはり他国の話という印象が強いようだ。

しかし、
両国の経済的な繋がりを考えれば、
今後様々な形で影響が出て来ることが懸念される。

タイの代わりにカンボジアを訪れる旅行者が増えるかもしれない。
消費・経済活動の落ち込みによりカンボジア産品の対タイ輸出が減少することも考えられる。
同様の理由でタイへ出稼ぎに出ている者が職を失うこともあり得るだろう。

また、より長期的には懸念されるのは、
王位継承による影響である。

A Kingdom in Crisisで著者Marshallが指摘したことが正しければ、
政治分野での混乱も十分考えられるシナリオ。
すでに軍事政権下に置かれているタイだが、
更なる混の可能性もあり得ない話ではない。

今後しばらくはタイ発のニュース、
国境周辺の動きに注目していこうと思う。

 

中国によるダム工事

中国のカンボジア進出が止まらない。

官、民の如何に関わらず、
その数や量において日本を凌駕し続ける中国であるが、
バッタンバンの農村部でもそれを感じさせられることが多い。
州内南西部で進められているダム工事は、
その規模の大きさからも中国の存在感を強く印象付けるものだ。

Chinese Dam Const1

Chinese Dam Const2

詳細は不明ながらも、
環境に与えるインパクトは決して小さくないはず。
かの国の開発事業においてそうした検証がなされているとは思えず、
その点についても不安が募る。

官、民の如何に関わらず、
よく言えば慎重な日本のアプローチは確実性、安全性、安定性が高い反面、
時間がかかり過ぎるというコメントがよく聞かれる。
よいところを保ちつつ、よりスピーディな展開を進めることが重要ということであろう。

単純な開発競争、投資競争ではないのだが、
こうした情景を見るにつけ何とも言えないプレッシャーを感じてしまうのだ。

 

蛹スナック

ポイペトで見つけたタイ産の蛹スナック。
原材料は蚕の蛹である。

また、昆虫食について書いてしまっているが、
蛹はカンボジアでもそれなりに食されているもので、
それほど珍しいものではない。
蛹自体は日本でもサナギコ(蛹粉)として釣りの餌として使用されている。

しかし、このタイ産のスナックは間違いなく「タイ的」と言えるユニーク(英語本来の意味)なものだ。

注目すべきは、
伝統的な食文化にスナック菓子的な味付けを施し、
ポップなデザインのパッケージを付けたという点である。
袋にあるかわいらしいサナギ君はマンガの手法によって書かれており、
日本的な要素も感じさせつつも題材が題材だけに、
日本では絶対見られないものだ。

確認出来た味は3種類。
まずは定番(?)しお味である。

Silk Worm Snack 3

和のテイストを感じさせるのり味。
タイのスナック菓子ではこれこそが定番の味付けかもしれない。

Silk Worm Snack 1

そしてチーズ味。
動物性たんぱく質に更に動物性たんぱく質の味を加えるという荒業である。

Silk Worm Snack 2

タイの伝統と近代的加工・大量生産の技術の融合をポップなデザインで包み込んだ、
非常にタイ的なユニークなスナック菓子と言えよう。

文化が似ているだけに、
「カンボジア的」な商品はタイの二番煎じになりかねない。
カンボジア的な商品開発をどのように行うか、
隣国を参考にしつつもそのパクリとならぬよう
カンボジアの皆さんにも頑張って頂きたいものである。

 

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プロフィール

バッタンバン長

Author:バッタンバン長
カンボジア王国バッタンバン在住、バッタンバン長です。
バッタンバンを中心に、開発援助業務、大学講師、社会調査、日系企業進出・投資のお手伝い等をやっております。
お問い合わせ等は、下のメールフォームからお願いします。

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