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バッタンバンで晴読雨耕

バッタンバンを中心としたカンボジア北西部の情報ブログ-大学教育、地雷、農業、開発、投資に関する話題から ホテル、レストラン情報まで

 

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書籍 「希望難民ご一行様-ピースボートと『承認の共同体』幻想」

最近あまり読む機会のなかった日本社会に関する本。
ピースボートに乗る若者をサンプルに行った調査を基に、
若者の貧しさ、疎外感、その処方箋としての「承認の共同体」の可能性と限界が議論される。

カンボジアは一見関係なさそうだが、
個人的には意外なつながりを感じる面白い本であった。

インターネット上の書評等では、
アカデミックさに欠けるなどネガティブなコメントも見受けられるが、
個人的には新書としては十分な内容と思われた。
(逆に新書にするならよりシンプルにまとめてもよかったように思う。)

第1章を読めば、
研究のフレームワークもしっかりしていることが分かる。
日本の「後期近代」をなぞりながら、
現代の若者が置かれた難しい状況を確認し、
それに対する処方箋として、
「コミュニティ」や「居場所」といった言葉で表される「承認の共同体」が位置づけられる。

現代の若者、或いは承認の共同体の調査ため、
古市がサンプルに選んだのは旅行者、
もっと具体的にはピースボートの乗船者/参加者。
これらが若者のサンプルとしてどこまで適切なものかという問いに対しては、
古市は以下のように説明している。

この本が「承認の共同体」の事例として扱うのは「旅する共同体に集う若者」である。なぜ「旅」か。
それは「旅」というものが、現代社会を覆う閉塞感に何等かの「出口」を与えるように見えてしまうからである。(P. 49)

偶然ピースボートに乗るようになった際、
たまたま教授に調査を勧められたという背景があるからか、
若干心もとない説明にも聞こえなくはない。

古市はピースボートに乗る若者を
「世界平和」という目的性(社会的承認)、
メンバー間での共同性(相互承認)という2つの軸を用い、
以下の4種のカテゴリーに分類している。

セカイ型: 目的性高、共同性高、「セカイヘーワ!」
文化祭型: 目的性低、共同性高、「なんだかわからないけど、毎日楽しい!」
自分探し型: 目的性高、共同性低、「こんなはずじゃなかった・・・・・・。」
観光型: 目的性、共同性低、「ピラミッドとマチュピチュが楽しみ。」

雑にまとめれば、比較的目的性の高かった者でも、
旅を通じて知り合った仲間との間で生まれた共同性によって目的性が冷却され、
最後には居場所、コミュニティだけが残るとのこと。
曰く、「仲間がいて楽しければ、もう社会変革とかはどうでもよくなってしまうのではないか。」(P. 260)。
仲間がいて楽しければそれでいいという考え、姿勢についての
様々な見方、議論も面白いところだ。

さて、個人的に面白かった点である。
読みながら強く感じたのは、
「ピースボート」という文言を「カンボジア」、
或いは「シェムリアップ」と入れ替えてもよいのではという点だ。

こちらは特に調査を行った訳ではないが、
カンボジア、特にシェムリアップに滞在する日本の若者にとって、
この地が「コミュニティ」や「居場所」、
つまりは「承認の共同体」となっているように思われるのである。

カンボジアへの旅と言えば、
アンコールワットに代表される世界遺産が主流であることは当然だが、
若者の間では孤児院ツアーや短期ボランティア、ソーシャルビジネスといったものも流行であり、
これら後者を目的性という視点で見れば、
古市同様の分類も十分可能であろう。
船や団体旅行ではないために常に人の出入りがある状態となるが、
逆に歓迎や送別といったパーティー、イベントが開かれ交流が進められるため、
相互承認の機会も十分存在していると思われる。

書名にあるとおり古市はピースボートに乗る若者を「希望難民」と呼んだ。
難民問題で有名となったインドシナが、
その支援国であった日本の希望難民の行先になっているのだとすれば、
それは非常に皮肉な話である。
日本の若者研究をカンボジアで行う日が来るのかもしれない。

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2015年地雷・不発弾被害者数

2015年のCMVISが発表された。

これによると、
2015年の地雷・不発弾の被害者数は111名で、
2014年の154名より減少、
事故件数も計76件と、
2014年の98件から減少している。

内訳は、
地雷事故が31件、不発弾事故が45件、
事故被害者は30名が地雷、81名が不発弾、
18名が死亡、93名が負傷。

州別の被害者数では、
バッタンバン州が28名で最多、
プレアビヒア州(14名)、
オッドーミアンチェイ州(10名)、
パイリン州(8名)、
コンポンスプー州、スヴァイリエン州(各7名)
バンティアイミアンチェイ州、コンポントム州、シェムリアップ州(各6名)と続いている。

 

精米輸出量とキャッサバ価格の下落

稲の収穫が終わりの時期を迎え、
2015年の精米輸出に関する統計が発表された。

政府が掲げる100万トンに対し、
2015年の精米輸出量は53.8万トン。
2014年の38.7万トンに比べれば、
それなりに増加しているものの、
目標値の半分程度といった結果である。

Rice Harvest 2015

輸出量が増えない理由の1つは、
単純に隣国に比べ価格が高いというものである。
隣国に比べ労働力は安いことを考えれば、
価格が高くなる理由は他にあるはずで、
具体的に様々な問題が指摘されて来ているが、
状況の改善にはなかなか繋がっていない。

米は国内消費用の他、
籾のまま輸出される(持ち出される)もの、
精米して輸出されるものの大きく3つに分けられるが、
僻地においては国内消費向けの安い品種が作られている場合がほとんどである。
農村の貧しい状況を考えれば、
輸出を増やすのと同時に、
農家と輸出用の米を扱う仲買人・精米業者を繋ぐ作業も必要と考えられる。

バッタンバン周辺においては、
農業と言えば米かキャッサバと言われるほど、
キャッサバの栽培も盛んである。
米が水の溜まりやすい低地、平地に作られるのに対し、
キャッサバはタイ国境に向けて広がる丘陵地に多く見られる。

Cassava Harvest 2016

キャッサバは栽培が比較的簡単である反面、
価格が市場に左右されるという弱点を持っている。
カンボジアで収穫されるキャッサバのほとんどが隣国へ輸出されているため、
国際相場の影響を直に受けてしまうのである。

昨年の収穫期までは農家にとって有利な価格帯で市場価格も推移していたが、
現在は下落傾向に転じてしまっており、
農民の間では不安の声が聞かれるようになっている。

米、キャッサバいずれについても、
政府の介入を求める声がない訳ではないが、
本気で期待をしている者は少ない。

2016年も農民の挑戦は続きそうだ。

 

タイ国境地域の発展

昨年暮れの12月18、19日、
フン・セン首相は10年振りにタイを公式訪問した。

アセアン経済共同体(AEC:ASEAN Economic Community)の発足も追い風に、
両国の強力関係が強まることが期待され、注目が集まる中、
表面上はそれなりの成果があったと報道されている。

報道のとおり、
両政府は経済、安全保障、労働、社会、企業の5つの分野で合意。
個人的に注目しているのは、
国境ゲートの増設、
国境を超えた鉄道線路の接続、
タイ国内におけるカンボジア人の労働環境の3点だ。
いずれも北西部経済にとって重要な意味を持つもので、
ここでも何度か書いてきたテーマである。

現状、ポイペトには一般旅行客と貨物が入り乱れているが、
今後、貨物用に2か所の国境ゲートが設置されるとのこと。
旅行者の利便性、製造業の発展の両面でプラスの効果が期待される。
具体的なゲートの設置場所は、
SEZにも近いNong Ian/Stung Bot及びBan Pa Rai/O' Neangの2か所。
タイ側の整備はすでに終わっており、
後はカンボジア側の動きを待つのみといった状況だ。

鉄道についてもタイ側の整備は済んでおり、
カンボジア側の計画も出来上がっているとの話もあることから、
今後の注目はその計画がいつ、どのように実施されうるかという点となる。
今回、首相自らがコミットメントを示したことで、
今後の動きが加速されることも予想される。

タイへの出稼ぎ労働者については、
ここでも何度か書いてきているとおり、
その規模(人数)や強制送還といった経緯も考えると看過出来ないイシューである。
安定、安心した仕事環境は、
特に出稼ぎ者の多い農村部世帯にとって大きな意味を持つものだ。

AECによって今後より多くのカンボジア人がタイを始めとする他のASEAN諸国に流れ出るのか、
逆に工場の進出によって国内に多くの仕事が生まれるのか。
まだまだ予測は難しいところながら、
期待値の上がる年越し前の出来事であった。

 

UEDA COFFEE

バッタンバンの知人に助言させて頂いた内容が現実のものとなった。
プノンペンではお馴染みのUEDA COFFEEのバッタンバン進出である。

UEDA COFFEE1

こんな短期間で実現したのは、
実際に動いた方たちの行動力の賜物以外の何物でもない。
知人が勤めるICRCのサポートによるため、
コーヒー屋台のデザインにもそれが反映される格好となっている。

UEDA COFFEE2

個人的にはそのとっかかりに少しだけ関わっただけなのだが、
自分のことのように嬉しく感じてしまう。

ここから先は支援ではなく、
厳しい商売の世界である。
商売繁盛を願いつつ、
これからは一客として応援していこうと思う。

プサー・ナ(川沿いの市場)周辺で見かけることが多いが、
CAFE HOCの前を「カフェー」と言いながら流しているのも見かけたこともある。
見つけた方は是非是非お試しあれ。

 

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プロフィール

バッタンバン長

Author:バッタンバン長
カンボジア王国バッタンバン在住、バッタンバン長です。
バッタンバンを中心に、開発援助業務、大学講師、社会調査、日系企業進出・投資のお手伝い等をやっております。
お問い合わせ等は、下のメールフォームからお願いします。

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