FC2ブログ

バッタンバンで晴読雨耕

バッタンバンを中心としたカンボジア北西部の情報ブログ-大学教育、地雷、農業、開発、投資に関する話題から ホテル、レストラン情報まで

 

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 

書籍 「脱成長の道」

脱成長の道―分かち合いの社会を創る脱成長の道―分かち合いの社会を創る
(2011/05)
勝俣 誠、マルク アンベール 他

商品詳細を見る

「脱成長」について議論をリードするセルジュ・ラトゥーシュら、
日本、フランスの研究者らがまとめた論集。
一般の方を対象としたものであるために読みやすく、
「脱成長」を知り、考える入門書としてもよい。

本書を貫く共通の思想は、
イヴァン・イリイチが提唱した「コンヴィヴィアリテ」(共愉の論理)と呼ばれるものだ。
ラトゥーシュは以下のようにまとめる。

共愉の論理(コンヴィヴィアリテ)は、近代の超克のアポリア(ゆきづまり)を抜け出すための重要な要素のひとつである。<脱成長>は、物質的なごみのリサイクルに取り組むのと同様に、産業社会から排除されて「屑」となった人間たちの再生に関心を注がなければならない。ごみに関して最善の策がごみを生産しないことであるならば、人間の屑に関して最善の方策は、社会がそのような人間を生み出さないことである。民衆が制度によって辱められることのない社会(la société decente)あるいは共愉にあふれる社会は、排除される人びとをつくり出しはしないのである。(P. 36)

こうした議論が生まれて来る背景には、
経済成長を果たした先進国が直面する様々な問題があるというのも、
筆者らの共通の認識だ。

引用される統計では、
経済成長をしても国民の幸福の度合いが変わらない、
或いは、下がる傾向が示されている。
(ロバート・レーン、リチャード・イースタリン、内閣府「国民生活白書」、「国民生活に関する世論調査」等)
「勝ち組」、「負け組」に分けられる社会、
失業者の増加、マイノリティの排除などは、
先進国に共通の問題であると筆者らは指摘する。

また、多くの論者は、
経済成長を目指す社会から、
人々が愉しく暮らせる社会への転換には、
贈与が重要な役割を果たすとしている。
モースの「贈与論」である。

個人的に興味を引かれたのは、
第3章で勝俣が例として引く「メコン」というドキュメンタリーフィルムに関する論考。
1964年に作成されたというフィルムは、
前半部分でメコン流域の豊かな自然と調和しながら暮らす人々を肯定的に捉えつつも、
後半では「でも、このままではいけない」と急にトーンが変わるのだという。
そこで見えるメッセージを勝俣は以下のようにまとめる。

①開発とは新たなニーズの創出である
「開発を正当化するためには、開発によって学校や保健サービス、新たな消費財などを享受し、いっそうの幸せを実現したいという住民自身の願望をつくり出さなければならない。」(P. 91)

②開発は自然と社会の管理と計測なくして実現できない
「・・・強調されるのは、地域の伝統的信仰や思考ではなく、科学と統計の進歩こそが厳しい自然と社会を人間が主人公となるように改造でき、社会の未来も予測できるという確信である。」(P. 92)

③開発は国家と国際援助機関の事業である
「こうした高度の専門性が要求される開発事業の主体は政府である。しかし、メコン川流域諸国のような「南」の新興独立国では行政の力が弱い。したがって、国連食糧農業機構(FAO)や、アジア太平洋諸国の経済・社会開発を欧米日の援助で促進するコロンボ・プランのような地域協力機構が、開発計画の立案と実施に中心的役割を果たす。」(P. 93)

④先進国に追い付くには先進国と同様の道を歩むしかない
「メコン川流域諸国の未来は「北」の大衆消費社会に見出すことができ、段階を追って「南」は「北」に追いつくと想定されている。」(P. 93)

⑤開発は冷戦時代の歴史的産物である
「メコン川流域住民が共産主義陣営に取り込まれないようにするために、米国とその同盟国は開発および開発援助の拠点を形成する。」(P. 94)

さすがに現代においては、
ここまでの見方は一般的ではないが、
「南」の国々、人々を遅れたものをして捉え、
「北」の我々が助けるべき対象とする構図は変わっていない。
開発であれ、ビジネスであれ、
「知っているのは北の我々」という図式でもある。

勝俣は、
「北」でも「南」でも、
その地域に住む人々が自らの幸せやニーズについて考え、
生活の向上を進めることが重要とまとめる。

さて、本書に限らず、
経済成長を目的とした社会の在り方、社会づくりに異を唱える議論には、
その背景も含め共感、同意できるのだが、
実践の部分での難しさを感じてしまう。

贈与がキーだとしても、
具体的に何ができるのか?

経済成長がマイナスになれば、
次の世代が背負う社会保障はどうするのか?

日本人にとっての幸せとは?
カンボジア人にとっての幸せとは?

「まえがき」で本書は「すぐに何をするべきかを明言する実用書ではな」く、
「生きづらさの根源を読者とともに探るための道具である」としているとおり、
こうした疑問を持ち、考えることは読者に与えられた宿題なのであろう。
スポンサーサイト

 

ベトナムのデモ、タイのクーデター

日本のマスコミでも報じられているとおり、
ベトナムでは反中のデモ、
タイではクーデターが起きている。

ベトナムからは在住中国人、
タイからは政府関係者がカンボジアに逃げているという話も聞かれている。
内戦というキーワードで語られることの多いカンボジアだが、
平和を求める人たちの避難先となっているのだ。

カンボジア国内において、
これまでのところ大きな影響は見られていないが、
タイのクーデターについては特に影響が懸念される。

これまでの一番の変化は、
タイ国境の「非正規」ゲートは封鎖である。
これらを使ってタイとの行き来する稼ぎ者にとっては重要な問題だ。
(ポイペトなどの「正規」の国境チェックポイントは通常通り。)

また、タイ経由で入って来るテレビ放送も制限され、
NHKなどを見ることは出来なくなっている。

今後注意が必要なのは、
物流や農業への影響だろう。

過去にも紛争によってタイから加工品などが入らなくなる事態が起きており、
今回も影響が出始めているという輸入業者もいる。
出稼ぎにも行けず、農作物も売れないようになれば、
農村部への影響は大きいものとなるはず。

政府はこれまで特にアクションを取っていないが、
本格的な問題とならないうちに対策を検討しておく必要がありそうだ。

 

LG Brand Shop

日本では苦戦続きの韓国系家電メーカーだが、
カンボジアでは躍進を続けている。

電気屋の看板でも目立つのはこれらのメーカー。
「変圧器を使ってでも日本の中古品を使いたい。」
などという話は過去のものとなりつつあるのかもしれない。

そんな中、
昨年末にオープンしたLG直営のお店。
プノンペン、シェムリアップに続くもので、
評判も上々のようだ。

LG Shop(448x336)

カンボジアの電気屋さんで困るのは、
以下のパターン。
技術・知識はあるものの売る気に欠ける個人経営のお店。
売る気はあるが商品知識のない店員のいる大型店。

前者では買いたい商品を箱から出してもらえず、
後者で商品の違いを問えば、
せいぜい「こっちがニューモデル。」程度の答え。
「市場で卵買ってるんじゃないんだから。」
と呟きながら店を後にすることになる。

その点、
こちらのLG Brand Shopでは、
見てるだけの客にもしっかり対応。
商品知識もそれなりに教育されているようである。
(値段交渉だけは応じてくれないようだが。)

値段でも勝る韓国系家電メーカーの躍進は、
これからも続きそうな予感がしている。

 

メロン農家2

タイの「夕張メロン」に触発され、
今回はシェムリアップの農家を訪れてみた。

以前、バンティアイミアンチェイで訪れたメロン農家はポツリと一軒あるだけであったが、
こちらでは複数の農家で栽培が行われている。
道路脇には農家の直売所も並ぶ。

メロン直売所(448x336)

直売所には、
新鮮なメロンが文字通り山積みである。
聞けば、丁度収穫が終わったタイミングだそうだ。

栽培されている品種はバンティアイミアンチェイと同じ3種。
やはりNGOの支援によって始められた栽培だが、
ここではしっかりと根付いているような印象だ。

シェムリアップ産メロン(448x336)

気になるお味のほうだが、
イチオシは台湾種(網目)。
当たりハズレもあるが、
おいしいものはタイ産に負けないほどみずみずしく、糖度も高い。

おいしいメロンを購入するには、
その場で1つ試食してみるのがベストな方法。
何個か買って試してみるのも手である。

タイ産のメロンを食べた後は敗北感を感じていたが、
カンボジア農民の底力を見せつけられたようだ。

お世話になったあの人に、
カンボジア産メロン、
いかがでしょう。

 

タイの「夕張メロン」

タイで購入したメロン。

ステッカーには「夕張マスクメロン」とあるが、
あくまでタイ産である。
中も緑色で、
本物の夕張メロンとは別の品種と思われる。
(当たり前か。)

Thai Melon1

Thai Melon2

しかしながら、
味は日本のものに負けず劣らずで、
十分おいしく頂ける。
カンボジアで栽培販売されているものと比べると、
糖度が高く、よりみずみずしいのが特徴的。

「さすがはタイ」という話になりそうだが、
カンボジアも負けてはいられない。

おいしいメロンを探しに、
また農家巡りに出かけてみようと思う。

 

バッタンバンの街路樹3

鳳凰木(火炎樹)ゴールデンシャワーに続き、
久し振りにバッタンバンの街路樹の話。

Sarusuberi1.jpg

Sarusuberi2.jpg

サルスベリ(百日紅)の一種であると思われる。
花の大きさや色などが微妙に異なる種がいくつかあるようだ。

花の色は薄ピンクや薄紫色で、
開花の時期は鳳凰木やゴールデンシャワーと同様に今の時期。
市内は色鮮やかになる季節である。

この時期に花をつける木が多いのは、
地面に落ちた実が発芽するのによいタイミングだからであろう。

 

農機のレンタルとリース

農機販売が好調のようだ。
主要道路沿いでは、
月々の支払額を宣伝するビルボードもよく目にする。

メーカーの方によれば、
日本と台湾以外では、「レンタル用」としての購入が多いのだそうだ。
確かに、農村で目にする農機の多くは他から借りて来たモノがほとんどである。

「レンタル」と書いたが、
厳密には、業務委託と言ったほうが正しいであろう。
トラクターでもコンバインでも、
面積単位で仕事を請負、
オペレータも機械所有者が出すのが一般的だからだ。

こうした農機の所有者は地元のお金持ちであることがほとんどで、
自分の農地で使わないときに、
他の農家への農機を「レンタル」に出している。

最近では手元にまとまった現金のない人でも、
一定の条件を満たせば、
銀行等から借りたり、
リース会社を通じて農機を手に入れることが可能となっている。
銀行のローンや割賦販売は以前から行われていたが、
リースは最近特に広がりつつあるものだ。

リースである以上、
農機の所有権はリース会社に置かれるが、
使用者は自由に農機を使うことが出来るため、
自分の農地以外でもこれを使うことができる。
つまり、「レンタル業」も出来るということだ。

レンタルとリース。
似ているようで非なる両者。
共通しているのは、
いずれもカンボジア農業の機械化を後押ししているという点である。

 

« »

05 2014
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
プロフィール

バッタンバン長

Author:バッタンバン長
カンボジア王国バッタンバン在住、バッタンバン長です。
バッタンバンを中心に、開発援助業務、大学講師、社会調査、日系企業進出・投資のお手伝い等をやっております。
お問い合わせ等は、下のメールフォームからお願いします。

記事の検索
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。