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バッタンバンで晴読雨耕

バッタンバンを中心としたカンボジア北西部の情報ブログ-大学教育、地雷、農業、開発、投資に関する話題から ホテル、レストラン情報まで

 

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2012年のまとめ

仕事のほうも大方片付き、
新年を迎える準備が整いつつある。

カンボジアにおける新年は4月なので、
地元の人にとってはそれほど意味はない「新年」だが、
日本人の自分にとってはやはり大きな区切りのタイミングである。

バッタンバンの2012年を振り返ってみると、
変化の予兆が感じられる一年であったように思う。
プノンペンのような派手さはないものの、
地味ながらも着実に変化する地方都市といった感じか。

一方、あまり変化の感じられない分野もあったように思う。
変化が必ずしも是ではないため、
それはそれで構わないのだが、
変化している部分と合わさり、
いびつなモザイクが出来つつあるような気もしている。

以下、独断と偏見でまとめる2012年の大まかな流れ、
変化と非変化。

1.労働力供給地としての農村の状況
カンボジアの経済発展は、
若くて豊富な労働力が原動力になると言われているが、
農村の労働力が向かう先はタイという図式が強まった一年だったように思う。
また、これにより、
農業における労働賃金の高騰、急速な機械化が進んだ。

2.金融業、小売業、観光業の成長
金融業者や小売業者は着実な成長。
バッタンバンでも輸入品のフェアが行われるなど活気が感じられる一年であった。
市内におけるマイクロファイナンス機関(MFIs)、
自動車や農機のディーラー、ホテル、飲食店の数もそこそこに増えた。

3.農業の停滞
米の輸出を大目標としてきたことから考えれば、
それほど大きな変化は感じられなかったと言えよう。
精米所の数は増えているのだろうが、
躍進の一年とはならなかった。
他の作物についても同様の状況で、
農家は作るだけ、
商人はそれをタイやベトナムに流すだけという状況に大きな変化は見られていない。

4.未発達の製造業
昨年のタイの洪水や日中関係の悪化等により、
製造業の成長が期待されたが、
北西部への企業誘致はまだまだと言える。
コンポンチュナン辺りまでは工場が広がってきているため、
もう一歩といった状況。

5.教育環境の未整備
バッタンバン大は比較的頑張っているほうだが、
語学、金融、パソコンといった科目に学生が集中する一般的な社会状況は変わらず。

さて、来年はどんな年になるのであろう。

来年の話は年が明けてからするとして、
皆さんもよいお年を。
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ニガウリ(ゴーヤ)

Bitter Gourd

この写真だけを見て、
これが何か分かる人は少ないのではないだろうか。

パッと見た感じ、
熱帯の果物のような色合いだが、
タイトルどおりこれはニガウリだ。
熟れるとこのような色になるそうだ。

これを作った農家では、
ニガウリは全て布切れのカバーに入れられていた。

Bitter Gourd2

カバーに入れて皮を守ることで、
凹みのないきれいな実ができるのだという。

写真のニガウリは熟れているために赤みがかっているが、
カバーに入れられた実は、
日光に当たらなかったため、
かなり白っぽい。
いかにもひ弱そうで、
まずそうな気もするが、
肉詰め料理などには形がいいほうが好まれるようだ。

 

マイクロファイナンスの金利2

マイクロファイナンスの金利の話の続き。

もう一度まとめると、
農村で暮らす人々の金融ツールは、
親戚・知人からの借金、
IMLsからの借金、
マイクロファイナンスからの借金、
ツケでの購入(物品購入の場合)があり、
現金に限って見れば、
マイクロファイナンスの金利は親戚・知人から借りるよりも高いが、
IMLsよりは低いというのが大まかな状況。

マイクロファイナンスの進出、そしてその金利は、
農村生活者にとってどんな意味があるのだろうか?

まず、当たり前の話ながら、
選択肢が1つ増えるということが挙げられる。
農繁期であれば、
親戚・知人も現金が必要な時期であり、
お金が借りにくいことも多く、
選択肢が増えるのはそれだけでよいことであろう。

そして、そこでIMLsよりも低金利で借入ができるというのだから、
よりありがたい話であるはず。

また、種籾をツケで買う場合でも、
IMLsと同様の利子(100%/期)が付くのだから、
やはりMFIsで金を借りて購入するほうが効率がよいと言える。

これらだけを見れば、
農村生活者にとってはよいことずくめのはずだが、
それでは何故IMLsからの借金、種籾屋へのツケがなくならないのか?
本当にマイクロファイナンスに利があるのであれば、
わざわざ高利のIMLsから金を借りる必要もなければ、
種籾屋からツケで籾を購入する必要などないはずだ。

これを理解するには、
金利以外の部分にも目をやる必要があるだろう。

マイクロファイナンスの金利は一般的にIMLsよりも低いが、
借入には担保(土地)が必要である。
また、返済は借入の一カ月後から毎月行わなければならない。
その点、
IMLsや種籾屋では担保が不要で、
返済スケジュールや返済額に対しても融通が利くという「強み」があるのである。

種籾を買う金をMFIsから借りて稲作を始めても、
次の月から返済をしなければならないというのでは、
稲作以外の収入源を確保しなければならなくなってしまう。
実際、その返済のために、
IMLsから金を借りる例も少なくないのである。
こうなれば、
MFIsとIMLsの両者に対して金利を払うことになるのだから、
収穫後まで待ってくれるIMLsや種籾屋から借りたほうが楽という考えも成り立つ。
(多重債務の問題についてはこちらも参照されたし。)

インフレ率が高いのだから、
実質的な金利はもっと低いはずという指摘もあるかもしれない。
もっともそうな指摘ではあるが、
都市部の物品の小売価格からはじき出される統計を当てはめることに、
それほど意味があるのかは疑問である。
むしろ、種蒔きの頃よりも、
収穫時期のほうが作物価格が低くなることを(供給量が多いため)考慮されるべきとも思われる。

後半はマイクロファイナンスの弱みとも言える話だが、
商売を興すための資本として使われるのであれば、
避けられそうな問題ではある。
もっとも、人口の少ない農村において、
皆が商売を始める訳にはいかないであるが・・・

次は、MFIs側から見た金利について考えてみたいと思う。

 

バンコク‐プノンペン/シェムリアップ直行バスの追加情報

バンコク行きの直行バスは、
今月29日からの運行開始。

プノンペン発は7:00、
バンコク着は18:00(所要約11時間)。
プノンペンは市内のパラゴンデパートを発、
バンコクは北バスターミナル(モーチット)着。
価格は30ドル。

帰りのバスも同様で、
バンコク発が7:00、プノンペン着は18:00となる。

シェムリアップ発は6:00及び15:00で、
それぞれ13:00、22:00着(所要約7時間)。
価格は25ドル。

それぞれ40席の大型バスの使用が予定されているが、
プノンペン便は当面ミニバスでの運行となるそうだ。

 

ネズミ捕獲器2

ネズミ捕獲器と一言で言っても、
数多くの種類があるようである。

先日の記事で書いた捕獲器を作っている農家さんで、
また別のタイプのものを見せてもらうことができた。

Rat Trap3

知り合いの先生に聞いたところ、
前のモノは知っているが、
このタイプを見るのは初めてとのこと。

この農家さんでは、
以前別の種類の捕獲器を使っていたそうなので、
復刻版の作成を依頼しておいた。

農家さんやそのご近所さんは、
こんなものを珍しがるバン長こそを珍しがる。

そんなときの答え。
「アンコールワットを作ったあなたたちは、その作り方を忘れてしまっている。
このネズミ捕獲器だって、10年後、100年後には貴重な記録になるのだ(多分)。」

 

マイクロファイナンスの金利

マイクロクレジット/ローンに対する否定的意見として、
金利が高いというものがある。

調査対象の家庭がMFIsから借りているローンの金利は概ね3%前後。
年利ではない。
月利である。

(ただし、フラットレートではなく、
返済済みの額を差し引いた残額に金利が適用される
Delcining balance interest rateという仕組みのため、
年利で言えば30%を切る場合もある。)

日本の感覚で言えば、
非常に高いが、
農村で利用可能な他の金融ツールと比べた場合、
どうであろうか。
現在行っている社会調査の範囲内で検討してみる。

民間の金貸し業者であるInformal Money Lenders(IMLs)は、
金利や返済期間は個々に決められるが、
一般的には金利が高いと言われている。
現在実施している調査においては、
月10%という例が多く見られる。

また、利息は現金の代わりに、
米(籾)で払われるケースもある。
10,000リエル(約25ドル)の貸付について、
籾1袋(100kg)の年利という仕組みである。
現在の米相場にして、
年利約100%と言えよう。

親類・知人からの借金については、
知り合いなのだから無利子という場合が多い。

店にツケで物品を購入する場合は、
様々なケースがあるようだが、
多くが無利子であるようだ。
顔馴染み同士の商売であるから厳しくできない、
利子を付けて売れない位なら、
無利子でも売れたほうがいいということであろう。

同じツケでも、
種籾の購入では利子が付く場合が多い。
種籾を買う資金のない農家は、
これを裕福な農家などに譲ってもらうが、
1袋借りた場合は、収穫後に2袋返すというのが一般的だ。
栽培期間は3~6カ月であることを考えれば、
非常に高い利子率であると言える。

以上から、
マイクロファイナンスの金利は、
IMLや「種貸し業者」よりは低いが、
他のツールよりは高いと言えそうだ。

これは農村で暮らす人々にとって何を意味するのであろうか?
これについては、
また別の機会に書いてみようと思う。

 

バンコク行き長距離バス

今月末より、
新たなバンコク行き長距離バスの運行が開始される。
起点は、プノンペン及びシェムリアップ。

これまでもバンコクまでの長距離バスは存在したが、
雑々とした国境での乗り換えにおいては、
障害も少なくなかった。

個人的にも陸路の移動では、
バンコクから乗ったバンが説明とは違う内容だったり、
あまりいい思い出はない。
(悪いのはいい加減な説明でとにかくバウチャーを売ろうとする
バンコクの旅行会社だが。)

今回運行されるバスは、
直接乗り入れが許可されており、
乗り継ぎが不要であるそうだ。
国境地点では入管手続きでの下車は必要であろうが、
乗り継ぎのバスを探して右往左往しなくていいのだからありがたい。
バッタンバン等からの途中乗車も可能とのこと。

タイ、カンボジアの両国は、
2国間の物流を後押しするために、
カーゴの乗り入れについても協議を進めていたはず。

プノンペン-バンコクの移動時間が短縮され、物流が増えれば、
その途中にある地方都市への経済効果も期待できそうだ。

 

地雷原の面積

地雷原の面積(推定)は、
以前は約4,500平方キロというものが一般的であったが、
カンボジア政府は対人地雷撤廃に係るオタワ条約延長に際し、
1,747平方キロの土地について
除去(649平方キロ)と確認作業(1,098平方キロ)が必要との説明をしている。

地雷の恐ろしいところは、
どこにあるか分からないということで
心理的な圧迫をかけるという点にあり、
地雷がなくても、
「もしかしたらあるかもしれない」
いうだけで十分な効果がある。

これまで「地雷原」と言われてきた場所も同様で、
実際地雷があるかないか分からないという場所が少なくなかった。
このため、
除去作業を効率的に進めるには、
地雷埋設の疑いがある土地を狭めていくことが重要となる。

地雷除去の方法で書いたように
除去団体の作業はある意味「地雷がないことを確認する作業」であり、
除去作業と並行し、
地雷の危険性がなく、除去作業が不要な土地を確定する作業(サーベイ)も進められている。

オタワ条約の延長が認められた後も、
各除去団体によってこのサーベイが進められており、
地雷原面積についても今後新たな数字が出てくるものと思われる。

オタワ条約延長の期限である2020年1月1日まで、
残り7年ちょっと。
この達成に向け、
現場では地道、そして過酷な作業が続けられている。

 

縫製業界の人手不足

農村における人手不足
タイへの出稼ぎ労働者について書いてきたが、
プノンペン郊外に工場を多く持つ縫製業界においても人手不足が問題だそうだ。

簡単に言えば、
賃金が低すぎるために人が集まらない、
賃金の高いタイに労働者を奪われているという話だが、
GDPの約1割を占める業界であるだけに、
国内経済への影響も懸念されるところである。

このため、
フン・セン首相も工場労働者の賃上げを求める発言をしているが、
状況はなかなか難しい。

縫製業界の最低賃金は61ドル/月だが、
今年の4月に引き上げられたタイの最低賃金は
県により222~300バーツ/日(約7.4~10ドル/日)である。
タイでの月給を6,000バーツとすれば、
ドル計算で200ドル。
3倍以上の差は簡単に埋まらないだろう。

カンボジアの縫製工場は最低賃金を守り、
それ以上の支払いを行っているところもあるというが、
賃上げが進めば、
競争力が失われ、
業界全体の衰退にも繋がりかねない。

カンボジアの農村人口をタイとプノンペン(と経済特区)が奪い合う図式だが、
両国とも日系企業の進出が著しい場所だけに、
日本経済とも無関係の話でもないはずだ。

農村開発を進めてきたNGOなどの援助機関にとっても、
仕送りに頼る農村経済、
老人と子どもばかりの農村でどのような活動を進めていくべきか
新しい課題が生まれつつあると言える。

2015年を目標に進められる
ASEAN Economic Communityという経済統合には、
関税撤廃の他、労働者の自由な国家間移動も含まれており、
今後労働者の動きが加速するこも予想される。

いずれにしても、
着地地点の難しい問題である。

 

爽麦

プノンペンのコンビニで出会った「爽麦」。

爽麦

日本語で書かれたデザインに、
「発泡酒が輸入されたんだろう。」と思って手に取ると、
「ビール」と書いてある。
「知らない間に、日本ではどんどん新しいビールが出るなあ。」と思っていたが、
その後、新発見をすることになる。

プノンペンからバッタンバンの移動中、
前から気になっていたコンポンチュナンの工場の看板の前で車を止めると、
そこにも「爽麦」の文字。

爽麦ファミリー1

なんと、
この「爽麦」、
日本への輸出用に、
コンポンチュナンの工場で製造されているのである。

看板脇の販売小屋(工場直営?)で1ケースを早速購入し、
あらためて色々検証してみた。

1.カンボジア仕様の330mlアルミ缶
2.アルコール度5.2%
3.輸入者は広島県の企業
4.味はまあビール
5.価格はR2,000/缶(プノンペン市内のコンビニ)、R40,000又は$10(工場近くの販売小屋)

インターネットで調べてみると、
ベトナム産というのが日本で売られているようだが、
カンボジア産は見当たらなかった。

この工場では、
「爽麦」以外にも様々なアルコール、ノンアルコール飲料を製造しているようだが、
どれもマイナーな商品ばかりで、
マニア心がくすぐられてしまう。

爽麦ファミリー2

次回は別の商品も試してみよう。
特に、CHU-HIが気になる。

 

農村における人手不足3

連日この話題について書いていたところ、
昨日のPhnom Penh Postにも関連する記事が載っていた。

タイの報道を基に書かれた記事だが、
かの国における国籍認定の手続きを終えたカンボジア労働者は56,776人で、
このプロセスを経ていない165,654人については、
12月14日の期限後に強制帰国させられるとのこと。

両者ともかなり具体的数字ではあるが、
後者についてはどの程度根拠のあるものかは不明である。

この記事にも、
労働者への暴力や認定手続きにおける賄賂、
仮にカンボジアに帰国した場合の職探し等、
様々な問題が挙げられているが、
数日後にはどのような事態となるのか予想がつかない。

注目しよう。

 

農村における人手不足2

農村における人手不足については昨日書いたとおり。

この背景にはタイへの出稼ぎ労働者の増加があると考えられるが、
その具体的人数はよく分かっておらず、
数十万という説から、
100万という噂まで出ているような状況。

かなり限られた枠ではあるが、
家計調査で訪れた農村の21世帯で見てみると、
世帯メンバーが出稼ぎに行っているのは9世帯と約半数。
1世帯で複数の者が出稼ぎに行っている場合もあり、
出稼ぎ者の人数はほぼ世帯数と同じ計19名であった。
1世帯当たり0.9人が出稼ぎに行っていることになる。

サンプルが小さすぎるため、
統計的にはアテにならない話だが、
バッタンバンの農村世帯数は約175,000を基に計算すれば、
バッタンバン州だけで15.7万人の出稼ぎ者がいるという推測が成り立つ。

この方法で考えると、
バンティアイミアンチェイで9.7万人、
コッコンで2.2万人、
プレアビヒアで2.7万人、
ポーサットで7.0万人、
シェムリアップで13.1万人、
オッドーミアンチェイで3.2万人、
パイリンで1.3万人
が出稼ぎに行っていることになり、
計54.9万人。

他の州を足せば、
やはり100万人に近い数字になるのかもしれない。

調査ではこの1、2年のうちに始めてタイに行ったという者も多く、
やはり年々出稼ぎ者の数は増える傾向にあると考えられる。

農業だけでなく、
縫製などこれまで国の経済を支えてきた産業にとっても大きな問題だが、
農村に住む人間、出稼ぎ者のいる家族的立場からすれば、
いい稼ぎになるのだからいい話となってしまう。

さて、どうしたもんか。

 

農村における人手不足

農村では様々な作物の収穫が行われているが、
人出不足が問題となってきている。
集めること自体も大変な上に、
ワーカー賃金が上がっていることから農家経営にも支障もありそうだ。

Phnom Penh Postには、
パイリンでトウモロコシ、キャッサバの収穫に雇われるワーカーの賃金が、
R25,000-30,000(6.25-7.50ドル)まで上がっているという記事が出ていた。

人手不足は北西部、或いは農村だけの問題ではない。
首都圏での縫製工場においても、
ワーカーが集まらないとの記事も出ている。

これらの原因は、
何度か書いてきたように、
タイへの出稼ぎ者の増加にあると考えられる。

コメであれば、
機械化という救いの手もあるが、
トウモロコシやキャッサバの収穫は人力である。

有効な手だても思いつかないが、
政府レベル、農家レベルそれぞれで対応策を検討すべきであろう。

 

バッタンバン州庁舎

町の活気ある場所から少し離れたところに
州庁舎がある。

Provincial Hall

この建物は、
イタリア人建築家の設計により、
1905年に当時の領主の屋敷として建てられたそうだ。
この領主こそ、
1795年から1907年までの間この地を治めた
Chavfea Baen家の最後の領主、
Lok Machas (Lord Governer) Katha Thorn Chhumである。

新たな塗装によって、
その趣がなくなってしまって残念というのは外国人の勝手な言い分だが、
当時の建物が現役であるのだからすごい。
(現役のため、外部者が中に入ることができない。)

州庁舎前のこのポストが、
道路測量の際のバッタンバンの起点と思われる。

Battambang Origin

ポストの後ろに小さく見える橋は、
サンカエ川沿いにかかっており、
1907年以降この地がフランス保護領となった後、
1916年に建設されたものだ。
こちらもいまだ現役である。
(自動車通行不可。)

州庁舎周囲には政府機関の事務所も多く、
官公庁街とでも呼ぶべきエリアだが
周囲は緑も多く、
雰囲気も至ってのんびり。

このゆったり感も
バッタンバンの魅力の1つと言えるだろう。

 

コンポンチュナン不動産価格の上昇

以前、コンポンチュナンの空港建設について書いたが、
この1年で、
コンポンチュナンの不動産価格は約10%上昇したとのこと。

空港建設によるものというよりは、
増え続ける工場の進出に負うところが大きいようだ。
ビール工場の他、
縫製工場などの進出が続いている。

空港建設により、
更にこの傾向が強まることが予想される。

 

カンボジアの人口と未来予測

先ごろPhnom Penh Postで、
Birth Controlの経済効果に関する記事を目にした。
そのアクセス普及が
国全体の経済にプラスになりうるという話だ。

このコスト計算には母親の健康等も含まれるため、
単に少子化だけという話ではないが、
少子化にも繋がる行動が経済にプラスという話である。

カンボジアのデモグラフィーを見れば、
この国が少子化傾向、
更には人口ボーナス期に入ってきていることが分かる。
人口ボーネスとは、
出生率の低下に伴い、
生産年齢人口が社会の中で相対的に膨らんだ(従属人口が小さい)状態になると、
経済成長の可能性が高くなるというような考え方だ。

そう思って少し調べてみたところ、
2010年現在の人口ボーナス指数は1.8(生産年齢人口/従属人口)で、
ボーナス期と言われる指数2以上になるのが2030年、
その後2045年に指数2.3になるまで上昇するという予測があることが分かった。

カンボジアの隣国で見ると、
ベトナムの人口ボーナス期は2020-25年、
タイは2010-15年までだそうだ。

これはおもしろい。
現在は水をあけられているものの、
人口学で言えば、
カンボジアのほうがより長い将来に渡り
経済成長が期待できるということだ。

タイにおける労働力不足(とカンボジアの雇用不足)によって、
カンボジアからの出稼ぎ者が増えていることとも関係がありそうな統計である。

ご存知のように、
日本は子どもは少ないのに、
老年層という従属人口が増え続けており(人口オーナスという)、
人口学的には大変厳しい状況にある。

カンボジアに居たほうが、
自分の将来も明るいということか。

少し前の本になるが、
タイやベトナム、その他アジア諸国の予測については、
以下の2冊が詳しい。

老いてゆくアジア―繁栄の構図が変わるとき (中公新書 1914)老いてゆくアジア―繁栄の構図が変わるとき (中公新書 1914)
(2007/09)
大泉 啓一郎

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超長期予測 老いるアジア―変貌する世界人口・経済地図超長期予測 老いるアジア―変貌する世界人口・経済地図
(2007/10)
不明

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2012年雨季の終わり

正式な発表もないが、
どうやら完全に雨季が明けたようだ。
11月末の水祭り連休辺りから一切雨が降っていない。

Hikoki Gumo

農村へ通う道路も固まり、
移動もだいぶ楽になってきている。

農村では稲刈りで皆忙しいが、
個人的には「晴読」の時期である。(あくまで予定。)

(写真は珍しい飛行機雲。バッタンバンに飛行機?)

 

書籍 「Microfinance ands Its Discontents」

Microfinance and Its Discontents: Women in Debt in BangladeshMicrofinance and Its Discontents: Women in Debt in Bangladesh
(2011/03/07)
Lamia Karim

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本書は、
非常にユニークなマイクロファイナンスの分析である。

分析の対象となるのは、
著者Lamia Karim自身の祖国でもあり、
マイクロファイナンスの発祥の地バングラディシュ。
文化人類学者らしく、
難解な数式を駆使したものではなく、
エスノグラフィックな分析が展開される。

より具体的には、
98年から2007年までの間に行われた、
借り手の家族やNGO(ここではMFIを指す)職員、村の有力者など様々な関係者への聞き取り、
同時に具体的な借り手のケーススタディー、
メディア、NGO報告書の分析といった内容だ。

Karimのユニークな分析は以下の3人の影響によるという。
1.ミシェル・フーコー(Governmentalityという視点)
2.デビッド・ハービー(ネオリベラリズム批評)
3.アルトゥーロ・エスコバル(ディスコースとしての開発)
名前を見ただけで、
ワクワクしてしまう3名だ。

本書の狙いは次の引用の通り。

In this book, I illusrate how microfinance NGOs manipulate existing kin and social relations to regulate the financial behaviors of individual borrowers to create wealth for the NGOs (P. xvi-xvii).
本書は、マイクロファイナンスNGOが自分たちの利益を生み出すために、どのように既存の社会関係や親族関係を利用し借り手の金融行動を統制しているかを描き出す。(バン長訳)

Karimはこの統制をマイクロファイナンスの様々な側面に見出す。
その1つは伝統的な「恥の文化」の利用だ。

例えば、返済ができない者を辱めることが、
借り手の女性だけではなく、
家族の恥となることを利用して返済率を高めるといった具合だが、
ローングループのメンバーだけでなく、
他の村人や夫からも向けられるプレッシャー(暴言や暴力)により、
本来エンパワメントの対象である女性の立場はむしろ低下しているというのが筆者の観方。

(返済不能な借り手の軟禁や、
取り立て成果の上がらない職員の給与を差し引く等、
「ナニワ金融道」顔負けの手法も用いられているそうだ。)

聞きとり調査の対象となった者の中には、
ユヌスが「Banker to the Poor」(邦題「ムハマド・ユヌス自伝」)の中で
グラミン銀行創設のキッカケとなった女性の家族も含まれている。
同書の読者としては驚きだが、
この家族はいまだに村で最も貧しい世帯のままなのだそうだ。
女性自身はすでに亡くなっており、
残された2人の娘(共に成人)は物乞い、
1人の孫はリキシャ引きをして生計を立てるとのこと。

この娘たちによれば、
ユヌスのノーベル賞受賞後に外国人記者たちが「成功の証」として
グラミン職員連れて行かれたレンガの家は、
隣人のものであったという。
(Karim自身はこれを検証することはできないとしているが。)

これなどは非常にあからさまな例ではあろうが、
このような情報の管理、
そして、ディスコースとしてのマイクロファイナンスに光を当てたという点が、
この本の最もユニークなところである。
曰く、NGOやそれに連なる「専門家」たちによって、
様々な「報告書」や「調査」、「会議」を通じ
マイクロファイナンスにまつわる「知=権力」が構築され、
統制システムが補強されていると。

このような状況は、
バングラディシュに限ったものでもなさそうだ。

現在この国のマイクロファイナンスの効果に関する調査で最も有名なものは、
昨年業界団体であるCMAが50%の費用を出して行われた調査であろう。
他の有力な調査は、
現在は大学教授ながらMFIのファイナンスマネージャーの経歴を持つ者によるものだ。
必ずしも、それらの理由だけで、
調査結果の妥当性を疑う訳ではないが、
いずれにおいても、
貸し手がマイクロファイナンスに関する「知」を作り出す「権威」である構造に違いはない。
(ちなみに、それらにおいては、
貸し手に有利な「調査結果」が発表されている。)

カンボジアのマイクロファイナンスにおける
恥の文化の利用ということはよく分からないが、
社会関係という点で言えば、
以前書いたような貸し手と借り手のヒエラルキー関係が思い当たる。

MFIsがNGOを意味する「オンカー」、
その職員らが先生を意味する「ロックル―」と呼ばれるその関係性にも、
「知=権力」という観方が当てはまるのではないだろうか。

以下のユヌスの著作と比較しながら読むと、
その存在がより際立つ一冊である。

ムハマド・ユヌス自伝―貧困なき世界をめざす銀行家ムハマド・ユヌス自伝―貧困なき世界をめざす銀行家
(1998/10)
ムハマド ユヌス、アラン ジョリ 他

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Banker To The Poor: Micro-Lending and the Battle Against World PovertyBanker To The Poor: Micro-Lending and the Battle Against World Poverty
(2003/09/16)
Muhammad Yunus

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ぼったくり

カンボジアのような国を旅行したことがある人であれば、
「ぼったくられた」と思った経験の1つや2つはあるであろう。

「ぼったくり」という言葉は、
売り手が買い手に対し相場以上の価格でモノを売るということだろうが、
買い手ができるだけ安くモノを買いたいのと同様に、
売り手もできるだけ高く売りたいのは当たり前の話だ。

相場が分からない旅行者相手に値段をふっかけることは、
決して褒められたものではないのかもしれないが、
商売の原理からすれば当たり前とも言える。

「お兄さん、これ安いね!」と言われ、
それをそのまま信じるのは、
お人よしを通り過ぎて、
単なる間抜けであろう。

そう考えていくと、
日本の「定価文化」に馴らされ、
目利きができなくなってしまっているところにこそ問題がありそうだ。

(少し話は逸れるが、
「通常、定価〇〇円のところ、今回は特別に〇〇円引き」
という話のほうがよっぽど嘘臭く、タチが悪いと思う。)

昔、ある海外旅行ガイドブックの投書欄で、
「〇〇ルピーもぼられた」という話を読んだことがあったが、
その額と言えば、
投書のために使った切手代以下であった。
ルピーは惜しいが、
円はどうでもいいということだろうか?

賢いお買い物を心がけましょうという話。

 

バッタンバンの不動産

バブルから一時低迷していた国内の不動産取引は、
国内経済の伸びから一転復調傾向、
プノンペン郊外の不動産価格も再び上昇を始めている。
国内の建設事業も前年比で約84%増(契約額ベース)と、
再び大きく伸び始めているとのこと。

バッタンバン市内においても、
ホテルや長屋の建設が中心となり多くの建設工事が進んでおり、
先日書いたMy Dollar Store周辺の長屋にも
プノンペンに本店を持つ店がテナントとして入り始めている。
これまでは自らが所有する建物の一階部分を商店にするパターンが主であったが、
今後はこうしたテナント型商店が増えていくのだろう。

バッタンバンには不動産屋はないに等しい状況で、
家を借りる場合、
土地を買う場合(外国人は買えません、念のため)、
自分の足で回り、物件を探すというのが唯一の手段となる。

このため正確な状況を把握するのはなかなか難しいが、
今のところ地価上昇の波は訪れていないと思われる。

しかしながら、
このまま経済成長が続けば、
上昇に転じるのも時間の問題であろう。

最近市内にオープンした車のディーラーは、
中古ながらも高級車を主としたラインナップをウリにしている。
まだまだ珍しい存在ではあるが、
こうした富裕層向けの商売出始めたことは、
お金が回り始めたことのサインだ。

賃貸についてはシェムリアップとの比較で書いたとおり、
恐らく供給量不足から、
決して安くはない状況にあるが、
今後、需要に供給量が追い付けば、
値も下がってくると思われる。

これらをまとめれば、
地価は上がるが、
賃貸価格は下がるという予測となる。
賃貸が下がれば、
テナント型商店や州外からの出店もより増えるであろうし、
在留外国人の増加も予測される。

以上、
不動産屋ではない一在留外国人の予測である。

 

バッタンバン-シェムリアップの船

バッタンバンのサンカエ川沿いに、
シェムリアップ行きの船の船着き場がある。
場所は州病院の近く。

Boat to SRP

シェムリアップへのルートは、
サンカエ川から東南アジア最大の湖であるトンレサップ湖経由となる。
船着き場のお兄ちゃんに聞けば、
シェムリアップまでは所要5時間、20ドルの旅だそうだ。

Boat to SRP2

20ドルもあれば、
バス代+シェムリアップでの宿泊代にも十分な額なので、
決して安くはない。
挙句、バスのほうがよっぽど速い。
(プノンペン-シェムリアップのボートも6-7時間だ。)

かなり酔狂な旅だが、
旅自体非日常を楽しむものなのだから、
それはそれで楽しそうだ。

住んでいると、
ついつい実利的なことばかり考えてしまうからいけない。
たまにはこういう「優雅な旅」でもしようか。
(しないなあ、きっと。)

(写真上が船着き場の看板、下が船着き場にあった船。この船がシェムリアップ行きかどうかは分からない。看板にある船とはだいぶ違っては見える。)

 

シェムリアップの納豆

シェムリアップに納豆屋さんがある。
と言っても、
メインはお菓子の製造販売を行う
「カンボジア・ティータイム」というお店だ。

納豆1
「シェムリアップの納豆」

ここがつくるカンボジアの伝統的なお菓子は観光客にピッタリだし、
在住者には納豆がうれしいところ。

シェムリアップに行くたびに、
スーパーで冷凍パックの買いだめをしていたのだが、
先日は品切れ。
製造元に電話を入れ、
お店に向かうことにした。

お店は市内に何軒かあるが、
納豆工房を持つお店はアンコールワットの入場ゲートの手前にある。
工房も見せて頂き、
そのありがたみもあらためて実感することができた。

バッタンバンでは納豆が買えないので、
自分でも試したみたことがあるが、
これがなかなか難しい。
納豆風のものはできたが、
納豆と思って食べれるものではない。
まして、その労力を考えれば(保温のため夜中に何回も起きなければならない)、
お店で買うほうが断然賢い。

納豆2
カンボジア・ティータイム作、「納豆」

納豆崩れ
バン長作、「納豆崩れ」

お店の方によれば、
使用している大豆はバッタンバン産とのこと。

カンボジア土産に納豆ということはないかもしれないが、
是非試して頂きたいものである。

 

デジタルとアナログのあいだ

ブログにしても、facebookにしても、twitterにしても、
コミュニケーションの役に立っていそうに見えて、
実は人間と人間の繋がりを阻害しかねないツールであるように思う。

そんな理由でこれらを避けてきたのだが、
自分が住む町の広報になればとの思いからブログを始め早数カ月。
使い勝手などを考えこちらに引っ越しをしたのだが、
引っ越し前のほうが楽だったなどとを考えたりもしている。

便利、便利とは言いながら、
結局こういうところで頭を使わざるを得ないのが現代人の情けないところだ。
使いこなせていないだけと言われればそれまでだが、
使いこなすまでにまた苦労をしなければならない。

便利を得るための苦労なら、
最初からしないほうがよっぽど便利な生き方なのかもしれない。

 

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プロフィール

バッタンバン長

Author:バッタンバン長
カンボジア王国バッタンバン在住、バッタンバン長です。
バッタンバンを中心に、開発援助業務、大学講師、社会調査、日系企業進出・投資のお手伝い等をやっております。
お問い合わせ等は、下のメールフォームからお願いします。

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