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バッタンバンで晴読雨耕

バッタンバンを中心としたカンボジア北西部の情報ブログ-大学教育、地雷、農業、開発、投資に関する話題から ホテル、レストラン情報まで

 

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Informal Money Lender

Informal Money Lender(以下、IMLs)と書くとややこしいが、

英語でusury、日本語でも高利貸しと書くとネガティブな印象を与えてしまいかねないので、

この表現としている。

非正規金融業者という呼び方でもよさそうだ。

いずれにしても銀行のようなformalではない町(村)の金貸し屋のことである。


クメール語ではネア・チョンカーというが、

中国人を意味するチャンという言い方もあるようだ。

金貸し=中国人という見方は、

カンボジアの歴史をそのまま表しているようでおもしろい。


以前書いたトンティンとは逆で、

IMLsは農村地域にも多く見られ、

その利用者もかなりの数がいると思われる。

マイクロファイナンスが登場するまでは、

農村における唯一の金融サービスであったと言ってよいであろう。


ただし、非正規というだけのことはあり、

店(家)の前にこうした看板を掲げている訳ではなく、

一見普通の民家がこうしたお店となっているケースが多いため、

農村を訪れてもこうした業者の存在には気付かない。

また、こうした業者は金貸しだけで生計を立てている訳ではなく、

他の村人同様に農業をやっていたり、

小売店を営んでいたりもする。


これらのIMLsの金利は安くないが、

マイクロファイナンスのような担保や書類といった面倒な手続きがないために、

気軽に利用することができるのがウリである。

誰かが病気になり緊急に現金を用立てしなければならないときなどは、

それなりに便利なサービスなのであろう。

ただし、担保がなく、保証人も立てないことから、

融資額はマイクロファイナンスよりも比較的小さいようだ。


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タサエン国境

先日、タイ国境に面したカムリエン郡内のタサエンコミューンを訪れた。

(カンボジアは州、郡、コミューン、村という行政単位で構成されている。)


ここは以前は地雷の多い地域であったが、

政府機関のCMACやNGOによる除去活動により(一部は日本政府の支援による)、

今では多くの土地が安全な農地として利用されるようになっている。

最近では舗装道路も整備され、

大きな発展の気配が漂いつつある地域と言える。


地雷除去、道路整と合わせ、

発展の追い風となっているのが日系企業の進出で、

これまでに4社の工場が操業を開始している。

内訳はキャッサバ焼酎工場が1つ、

のし袋、書道用品、メモ帳といった文具類の工場が3つで、
全てタサエンで地雷除去活動に携わるのTさんの出身地、

愛媛県に本社を置く企業だ。


バッタンバンで晴読雨耕-タサエン2

バッタンバンで晴読雨耕-タサエン1

これらの工場では、

合わせて約200名の従業員が雇用されているそうだが、

皆穏やかな、和やかな表情で仕事をしているのが印象的であった。

安定した給与と職場環境のよさが、

その背景にはあるのであろう。


仕事と言えば、農業(自作農、小作農)、タイへの出稼ぎ位しか選択肢がなかった場所で、

新たな就職の機会が生まれることの意義は大きい。


国境の小さな町で生まれつつある新たな日・カ関係に

感動した一日であった。


(写真は上から、書道用品工場、書道用の団扇づくりの様子)

 

サービスアパート

プノンペンやシェムリアップのような外国人が多く暮らす町には、

彼ら向けに作られた賃貸物件サービスアパートが少なくない。

バッタンバンには辛うじて1件あるだけであったが、

最近新しいサービスアパートが登場した。


バッタンバンで晴読雨耕-サービスアパート

賃料は700ドルと決して安いものではないが、

間取りや内装がそれ相応のものであればニーズはあるであろう。

今のところ入居率はそれほど高くないようなので、

そのうち値下げになる可能性もある。


こうした物件は仕事で駐在する外国人には使い勝手がいいものだ。

一軒家を借りるとなれば無駄に部屋数が多かったり(挙句それ相応の賃料となる)、

光熱費の支払いやセキュリティの管理が面倒である。


だからと言って、

町の中心部で一般的な長屋スタイル(間口4~5m、奥行き20~25m)では、

窓が少なくとにかく暗く、車やバイクの置き場所にも困る。

長屋一軒借りるとなれば、

3階建て位が一般的だから、

やはり無駄に部屋が多くなる。

備付けの家財道具もない場合が多い。

(カンボジアの人は建物に陽が入らなければ涼しい、

車やバイクも一階部分を駐車場にすればいいと考える。)


その点、サービスアパートは1人、或いは2、3人で暮らすのに合った間取りで、

家財も備え付け、駐車場もあって便利なところが多い。

サービスの文字通り、

洗濯や掃除もお任せにできるオプションもあるし、

英語のできる管理者がいる場合も多いので、

細かい要望を伝えるのも楽だ。


サービスアパートと言うと贅沢な響きかもしれないが、

駐在の外国人にとっては非常に合理的な不動産物件なのである。


(写真は件の新しいサービスアパート)


 

日照り

洪水だった昨年とは打って変わり、

今年は雨が少ない。

専門家ではないので適当な表現が分からないが、

干ばつという言うと少し強過ぎるの気もするので、

日照りとしておこう。


通常、5月、6月頃から種蒔きが始められるため、

8月までには多くの田んぼがきれいな緑色に染まる。

しかし、今年は雨が少ないために同じ緑でも雑草であったり、

地割れを起こしてしまっている場所が少なくない。


バッタンバンで晴読雨耕-地割れ


灌漑設備、もっと具体的に言えば水路に近い場所でも、

十分な水をポンプアップすることができておらず、

イネの生育に影響は出ているようである。


カンボジアの農業は天水頼みがほとんどで天候に左右されるため、

ギャンブル性が高い。


ギャンブル性が高い以上、

日本のように手間をかけて育てるという考え方はあまり通用しない。

手間暇かけず、コストをできるだけ抑え、

後はお天道様に祈るって待つというのは、

理に適っているのかもしれない。


今年も天に祈りが通じていないようだ。


(写真は乾燥によって割れた土地。見易いように田んぼではなく、植物の生えていない場所を選んで撮影。)

 

トンティン

カンボジアにはトンティンというお金に関する仕組みがある。

言葉で説明するのは難しいため、

日本の無尽(講)や頼母子(講)と似たものと説明されてしまうのだが、

この説明で分かる人のほうが少なそうだ。


いずれにしても、

同様の仕組みは多くの国にあり(ROSCAとの略称で呼ばれる)、

カンボジアや日本特有のものではない。


身近にこれをやっている人がいたこともあり、

この国ではそれなりに一般的なものだと理解していたのだが、

現在行ってる農村の調査においては、

皆首を横に振るか笑うだけで参加している者はいないという。


調査対象の世帯数が少ないため、

確率で考えればこのような結果になってもおかしくないのだが、

これについて質問を受けたときの彼らの表情やリアクションからすると、

どうもそれだけではないようである。


村の人々、学識経験者、開発援助関係者、様々な人の話を基に推測すると、

(1)トンティンは都市部(特に市場関係者)においては比較的一般的だが、農村ではあまり行われてない、

(2)金融の仕組みというよりはギャンブルに近いため、参加している者はそれについて話したがらない、

のいずれかであるようだ。


もう少し調べてみる必要のあるテーマだ。

 

書籍 「Due Diligence」

Due Diligence: An Impertinent Inquiry into MicrofinanceDue Diligence: An Impertinent Inquiry into Microfinance
(2011/12/19)
David Roodman

商品詳細を見る

マイクロファイナンスは貧困者救済のための万能薬なのか、

或いは、マイクロデット(借金)と揶揄されるように、更なる貧困への罠なのか、

極端に言えば、

マイクロファイナンスを巡る議論はこのように分けられてきたように思う。


Roodmanが本書で展開する議論は、

いずれでもないユニークなものだ。

イントロに出てくる以下の文がそれ要約している。


「マイクロファイナンスの成功は事実であるが、それは一般的に理解されているよりも目立ちにくいものだ。マイクロファイナンスの強みは人々を貧困から救うことではない。工業化や雇用のほうがその点では優れているだろう。また、女性のエンパワーメントといったものでもない。それは、むしろ、多くの貧困者に生計(ファイナンス)のコントロールを与える組織、産業に資金を貸すことができる点である。」(P. 8、バン長訳)


著者はRCTs(Randomized Controlled Trials)による最新の研究結果を根拠に、

マイクロファイナンスが貧困削減等従来期待されてきたような役割を

十分果たせていないとしている。

現時点においては最も説得力のある見方であろう。


しかし、マイクロファイナンスは何の役にも立たない無駄なもの、

或いは貧困者を更なる貧困に追い詰めるものという訳ではない。


不安定で低い収入を補うために、

貧困者はあらゆる手段を講じなければならず、

そのための新たなツールとしてマイクロファイナンスが役立てる可能性は十分にあり、

それにより貧困者が自らの生活をコントロールし易くなるというのが本書で示される結論である。


Roodmanの議論で最もユニークな点は、

この結論に基づき、

そうした役割を持ったマイクロファイナンス業界の成長こそが、

マイクロファイナンスの成功と主張している点だ。

カンボジアにおいてもこの業界の近年大きく成長してきており、

これを以って「成功」と言うのであれば、

そう言えなくはない状況ではある。


本書初読後の感想は以下のようなものだ。


①MFIs(Microfinance Institutions)が貧困者向けのサービス、

貧困削減を目的として謳っている以上、

やはり成功か否かはその点で判断されるべきではなかろうか?


②貧困削減をギミックとして使わなければ、

マイクロファイナンス業界の発展、「成功」はなかったのではないか?

仮に貧困削減効果がないとすれば、

著者の言う「成功」は幻想の上での成功ということになるのではないか?


マイクロファイナンスの効果についてはまだまだ検証が必要な段階にあり、

それらを踏まえた上で、「成功」に関する議論も進めていくべきであろう。


 

肥料・農薬パッケージのクメール語

数年前までは、

肥料や農薬のパッケージにタイ語がベトナム語が並んでいるのが当たり前であった。


そもそもカンボジア国内でそうした商品を作っている会社がなく、

タイやベトナム、その他海外のメーカーも

わざわざ数少ないカンボジア消費者(農民)向けにパッケージを作ることはなかったのだ。

バッタンバンで晴読雨耕-タイ除草剤


外国語で書かれているのだから、

適切な使用法も分からなぬままに使ってしまうケースも多かったように思う。

これでは適正な効果が期待できないばかりか、

人体や環境にも悪影響を及ぼす可能性もあり非常に危険である。


現在は、カンボジア国内で販売される肥料・農薬にはクメール語の表記が義務付けられているそうで、

クメール語表記のパッケージを目にする機会が増えてきているようだ。


バッタンバンで晴読雨耕-カンボジア除草剤

バッタンバンで晴読雨耕-カンボジア肥料


タイに近いバッタンバンではまだタイ語パッケージのほうが多いが、

最近訪れた市内の農業資材屋では、

クメール語表記の除草剤や肥料が全体の約1/4程を占めていた。


カンボジアの農業振興、環境保護にも繋がる話なので、

もっと広まって欲しいものである。


(写真は上からタイ語の除草剤パッケージ、クメール語の除草剤、クメール語の肥料)


 

日本語学科設立の可能性

バッタンバン大に日本語学科はなく、

今のところ、日本語は趣味の講座のような形で教えられているに過ぎない。

北西部の日系企業、組織はまだ少なく、

日本語を学んでも就職に直結しない場合が多いため、

このような状況は致し方ないところだが、

日本企業の進出が著しい今こそが転機であるように思う。


数年前のプノンペンも今のバッタンバンとあまり変わらぬ状況であったが、

今や日本語人材は引く手数多である。

日本語人材の育成が、

北西部への日系企業進出の条件、呼び水ともなろう。


仮に今年日本語学科が設立されても、

卒業生が出るのは数年後。

できるだけ早いスタートの必要があるが、

教師の育成と雇用が問題だ。


新たに教師を育てるにも時間がかかるし、

経験豊富なカンボジア人教師や日本人の雇用にはコストがかかる。


カンボジア社会が必要な人材や企業のニーズと教育現場のミスマッチは、

以前から指摘されてきた問題であるが

(簿記やマーケティング、ビジネス理論を学ぶ学生が多過ぎる半面、

理系、技術系専攻は内容も乏しく、学生も少ない。)、

日本語についても同様の状況であろう。


教育の現場と企業、社会を繋げる仕組みについて、

模索中である。


 

ENJJでの調査報告

ENJJとは、

Embassy(大使館)、NGOs、JICA、JBAC(商工会)の頭文字を取ったもので、

重要な交流や情報交換などを行う場である。


今月開催された年に1度のENJJ全体会議では、

マイクロファイナンスがテーマとして取り上げられ、

調査について報告の機会を頂いた。

題目は、

「カンボジア農村部におけるマイクロファイナンスの利用状況」。


調査自体が未完のため、

今回の話は結論的なものではなく、

調査の背景や調査を振り返った感想といったもの。

ポイントは概ね以下のようにまとめられる。


①貧困世帯の生活向上を目的とするマイクロファイナンス(MF)は、

その顧客数や貸付金額が急増しているが、

それに見合った効果が出ているのか不明。


②MFユーザーと非ユーザーの経済状況について、

MF使用前後で比較しただけでは、

その効果を測ることはできない。

この為、RCTsやファイナンシャルダイアリーという手法が注目されている。


③農村の「貧困世帯」の収入は「農業」が主だが、

自作農以外にも他の場所での農業労働や出稼ぎ者等の仕送りといったものがある。

収入は、金額が小さいだけでなく、不定期、不安定である。


④これらの世帯は、

個人的な貸し借り、非正規金融業者、セービンググループ、商店ベースでの「ツケ」など、

多種多様な金融ツールを使用しており、

その実情は非常に複雑である。


⑤MF(ローン)の強みは貸付額が比較的大きい点

(担保又は、グループローンによって保障されるため)、

問題点は返済スケジュールが営農スケジュールとマッチしていない点か?


発表後には様々な質問を頂き、

今後の調査に大きな参考となった。


今後も地道な調査を続けていこうと思う。


 

来訪者シーズン

日本のお盆に当たるこの時期は、

毎年日本からの来訪者の対応で忙しい。

ブログの更新もだいぶ日にちが開いてしまった。


来訪者の方々は当然それぞれ違った分野、目的を持った方たちだが、

カンボジアや日本の為といったことを考えている方が多く、嬉しい。

新たな視点や新たな活動に触れることができ、

個人的にも非常にありがたい思いである。


カンボジアに住む日本人としては、

こうした方たちのアイデアを具現化するお手伝いを通し、

両国の為に少しでも役立つことを考え、進めていくべきなのであろう。


オリンピックの時期も重なり、

「国」というものをより強く感じる数日であった。


 

Phnom Penh Beer缶


バッタンバンで晴読雨耕-プノンペンビール


プノンペンとの行き来の際にいつも前を通るのが、

国道5号線沿い、コンポンチュナンにあるPhnom Penh Beerの工場。


この工場の建設中の時からこの前を通っていたという理由だけで、

なんとなく気にはなる存在のビールである。


いや、

「My Phnom Penh My Beer」の宣伝文句が、

競合他社の製品

「My Country My Beer」に似すぎてるのも、

気になるところではある。


いずれにしても、

今更ながら初めて飲んでみたが、

味のほうはよくも悪くもそこまで気にはなるものではなかった。


兄弟分のSpecial Beerは、

そのレトロなデザインが気になる商品だが、

味は試していない。


 

コンポンチュナン道路の改修

昨年の洪水の被害を受けた道路等の改修事業が

日本政府の支援で行われることになったそうだ。


バッタンバンとプノンペンを繋ぐ国道5号線も昨年の洪水で被害を受け、

特にコンポンチュナン周辺の被害が大きかったが、

これも今回の改修事業に含まれるという。


コンポンチュナン州の南西部にはカルダモン山脈があり、

ここに降った雨は通常ゆっくりと北東のトンレサップ湖に流れていく。

昨年の洪水では、

この流れの中に国道5号線やコンポンチュナンの町が沈んでいったというような状況で、

一時はバッタンバンを含む北西部とプノンペンの交通が分断されかねない危険もあった。


バッタンバンで晴読雨耕-2011コンポンチュナン洪水


今回の改修事業の詳細は不明だが、

ただの補修だけでなく、

構造的な問題についても対応するような内容になるとありがたい。


(写真は昨年洪水時のコンポンチュナン州都中心部)



 

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プロフィール

バッタンバン長

Author:バッタンバン長
カンボジア王国バッタンバン在住、バッタンバン長です。
バッタンバンを中心に、開発援助業務、大学講師、社会調査、日系企業進出・投資のお手伝い等をやっております。
お問い合わせ等は、下のメールフォームからお願いします。

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